ザ・ゲーム   〜全員で協力して、なるべく多くのカードをプレイして悪魔の復活を阻止しよう〜

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箱です。
小箱サイズなので、持ち運びは非常に楽です。



コンポーネント(道具立て)はいたってシンプルで、4枚の置き場カード(写真左端)と、
2から99までの数字の書かれたカードのみの構成です。


レビュー


*プレイヤー同士で協力して、なるべく沢山のカードを場に出そう!

1人〜5人までプレイできる協力ゲームです。
プレイヤー全員で協力し合って、なるべく沢山のカードを場にプレイする事を目指します。

プレイヤー全員が6枚の手札(2人プレイの場合は7枚、1人の場合は8枚)を持ち、場に4個のカード置き場を作ります。
残りのカードは山札になります。

スタートプレイヤーは、全員の話し合いで決めます。
以下のルールに照らして、誰がスタートプレイヤーになるのがベストかを考えます。


*4つのカード置き場に、昇順と降順でカードをプレイ

手番のプレイヤーは、手札から少なくとも2枚のカードを場のカード置き場にプレイしなければなりません。
4つのカード置き場のうち2つは昇順残りの2つは降順で手札から出したカードを重ねて行きます。
例えば昇順の置き場のひとつにに[28]のカードを置いてしまったら、
原則としてもうその置き場には[27]以下の数字のカードは置けないという事です。
唯一の例外として、丁度10個差の数字だけは逆順でプレイできます。
先程挙げた例で言えば[28]のカードが置かれた昇順の場には、
[29]以上のカードの他に[18]のカードだけは(逆順ですが)置くことができるのです。
この「10個差ルール」を上手に利用する事が、このゲームに勝利する為の非常に重要なポイントになります。


*「具体的な数字を言えない」制限の中で、コミュニケーションを取って協力する

「協力プレイ」のゲームなので、プレイヤー同士で相談をする事は可能(と言うか積極的に相談すべき)ですが、
具体的な数字を示唆するような発言はルールで禁止されています。
具体例を挙げれば、「あと○個進めても大丈夫か?」とか「僕は○のカードを持っている」のような発言は言うに及ばず、
「そこにカードを置かずにおいてくれれば、みんなを大喜びさせられるぜ」のような発言も、
暗に10個バック出来る事を示唆する発言として禁止されています。
「そこの置き場には出来ればもう置かないで」とか「この置き場の数字をもう少し進めてもいいかな?」と言った表現で
お互いの意思を確認し、最終的には手番プレイヤーがどうするかを決定します。

手番を終えたプレイヤーは、プレイしたのと同じ枚数のカードを山札から手札に補充します。
山札が無くなった後は補充なしでプレイを続けますが、手番の時プレイしなければならない枚数は1枚で良くなります。
誰かがカードをプレイできなくなったらゲーム終了で、その時点で全員の手札と残った山札の枚数の合計が
9枚以下ならプレイヤー全員の勝利、10枚以上なら全員の敗北、全てのカードを置き切れば大勝利です。

シンプルなルールでプレイタイムも比較的短か目なので、手軽に繰り返し遊べるおススメのカードゲームです。



リプレイ

大変申し訳ないのですが、リプレイ記事はまだ完成していません。(汗)
プレイ中のイメージは、こんな感じです。↓




評価


*シンプルな道具立てに、キレのある1アイディア

「悪魔の封印を解こうとしている魔の僚属たちを退治して、悪魔の復活を阻止する」というテーマだそうですが、
正直言ってテーマは「一応付けてみました」という程度で、プレイ感とマッチしている感じはあまりないと思います(笑)
その辺で好き嫌いは分かれるかも知れないですが、個人的にこういう「シンプルな道具立てでキレのある1アイディア」
というタイプのゲームは大好きなんです。
(以前紹介したゲシェンクコロレットパレード等もそうですね)

「具体的な数字を示唆しない」というルールひとつで、協力ゲームとして適度な難易度と緊張感を生み出しつつ、
協力ゲーム特有のいわゆる「奉行問題(注)」を解消するアイディアは、実に画期的だったと思います。


*適度な難易度で、全員が慣れてくれば調整も容易

運の要素はそれなりに大きいですが、全員が初プレイ同士なら難易度もまずまず適切だと思います。
慣れてくると通常ルールでは殆ど負けなくなって来ますが、上級ルールの導入で難易度の調節も簡単に可能です。
また、私が持っているのは日本語版の初版ですが、現在発売されている第2版には、更に難度を上げる拡張カードも同梱されています。
全てのカードを置き切るのは、慣れてからでも結構難しいですが、達成するとかなり嬉しいです。

1人〜5人までプレイ可能ですが、何人プレイでも殆ど場所を取らないので、小さなテーブルがひとつあれば充分プレイ可能です。
多人数プレイと少人数プレイにはそれぞれ一長一短があって、個人的には人数が多い方が少しやりやすい気もしますが、
人数による難易度の違いはそこまで感じません。
但し、1人プレイだけはかなり難易度が高く、相当カード運に恵まれないと勝利するのは難しいと思います。


*「協力ゲーム」に新しいアイディアを持ち込んだ、優秀なコミュニケーションゲーム

ルール的に情報をどこまで発言できるかと言う部分が若干曖昧ではあるのですが、その辺もこのゲームの味のうちかと思います。
1回のプレイの最中にも「あの人があの口調で言う時はこの位進めるんだな」という感じが徐々に分かってきます。
同じメンバーでやり慣れて来ると、当然そうした情報が蓄積されている分難易度が下がって来るので、
繰り返しプレイするなら、適宜難易度調整をすると良いと思います。
一時期大流行した「協力ゲーム」に新たなアイディアを提案した点は、おおいに評価に値すると思います。
惜しくも大賞は逃しましたが、2015年の「ドイツ年間ゲーム大賞」にノミネートされたのも頷けます。

個人的に、「スタートプレイヤーを話し合いで決める」というルールが、いかにもこのゲームらしくて大好きです(笑)


私の評価は8.5点です。



(注)奉行問題:「協力ゲーム」において、誰か一人の指示に他のプレイヤーが黙って従うだけの展開になり、
        実質的に特定プレイヤーのソロプレイ状態になってしまう問題。





攻略のヒント

1.カードをプレイする前に必ず全員と相談すべし
 手番では必ず2枚(以上)カードをプレイしなければならないのですが、自分の手だけ見た時に
 プレイするべき2枚が明らかなように思えても、決して慌てて勝手にプレイせず、
 必ず1枚ずつ全員に相談するようにすべきです。
 他のプレイヤーは貴方と違う意見を持っている場合もあり、例え他の置き場ををかなり大幅に進める事になっても、
 特定の置き場を進めない方が全体にとって望ましいといった場合も、状況次第で十分あり得るからです。
 何らかの形で10個バックが起きて、現状より置き場の数字が戻る場合は、バックの所までなら
 相談なくプレイしてしまっても構わないと思いますが、バックした後更にカードをプレイしたい場合は、
 やはり周囲に相談した方が良いでしょう。

 また、次に自分の番が来たとき、どうしてもどこかの置き場を大幅に進めざるを得ない事が分かっている場合は、
 他のプレーヤーの番のうちに、なるべくその置き場に置けるカードを置いてしまうよう伝える事も、非常に重要です。


2.10個差のペアを大事にすべし
 手の内に10個差のペアが出来たら、言うまでもなく非常に大きなチャンスなので、
 その使い所をじっくり吟味しましょう。
 すぐに使ってしまった方が良い場合(または他に良い手段がなく、そうせざるを得ない場合)もあれば、
 使うタイミングを計って、少し手に持ち続けた方が良い場合もあるでしょう。
 ルール上、手に10個差のペアがある事を他のプレイヤーに伝える事はできないので、
 それを使うタイミングは原則として自分ひとりで判断しなければならないのです。




アンケート

評価平均:8.44点
名前 評価 感想
西野沢 10 シンプルなルールで遊び易いし、みんなで協力して目的を達成できた時の団結感がすごい。人のミスをフォローしたり、遠慮したりする事が勝利に繋がるので、道徳心が養える日本人向けなゲームかも知れない。
桐原 9.5 協力という名の「ルールを熟知した人のソロプレイにつきあう」ゲームはもうこりごりなのです。そこに彗星のように現れたこの作品、協力系ゲームが新たな進化をするその瞬間を目撃した気がします。そしてこれからも、協力系ゲームにおける中興の祖として語り継がれていくことでしょう。
ひらやん 参加人数ににもよるのかも知れませんが、プレイヤー同士が協力し合うスタイルは楽しい。反面、手札が限られて皆に迷惑をかけるのが心苦しい事も。
ゆうめい 8.5 (詳しい感想は「評価」を参照してください) 全置きを達成するのは中々難しいですが、カード運に恵まれると意外とあっさり達成できる時もあります。残った2枚のどちらを先に置くか当てれば全置きと言う状況になると、めちゃめちゃ盛り上がります(笑)
りょうえい 8.5 プレイヤーは手番で手札を最低二枚以上プレイしなければならず、1から100までの数字をそれぞれ昇順降順に置いていって山札と手札をカラにするのが目的、というシンプルな協力ゲームなのだが、具体的な数字がわかる言葉を使わずに相談して協力しなければならない。たったこれだけの制約がついただけで驚くほど面白いコミュニケーションゲームになっている。同じメンバーで何度も遊ぶと相手の意図がわかってしまい、コミュニケーションの制約が薄れてしまってヌルゲー化してしまうのが欠点。
榊しげる 単純なルールなのに奥が深い、タイトルに偽り無しといった所。全員で一つの目標に向かっていくゲームでありながら奉行問題が発生しにくい点も高評価。情報交換の匙加減が明確でないのは良くもあり悪くもあり。
百八 大きく出たなぁ…って感じの名前ですが、確かにこのゲームに題材乗せるのは難しそう。協力プレイでどこまで情報を伝えて良いのかがよく解らないのが問題点。伝えて良い情報のさじ加減によって難易度が激変するので、それゲームとしてどうなのよ?みたいな違和感はあります。とは言え勝利した時の達成感は素晴らしい。
アキラ 同じ協力型の「パンデミック」に比べると随分軽いので、気軽に協力プレイを楽しめると思います。

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