ゲシェンク 〜マイナスカードと得点チップの引き受けを巡る悩ましい選択〜

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です。
大きさは、よくあるコンパクトなカードゲームの箱のサイズです。
これは確か2009年頃に買ったものです。
デザインを微妙に変更しながら何度もリメイクされているので、
これより古いバージョンや、現在販売されているものとは、箱やカードのデザインが異なります。



カードとチップです。
極めてシンプルな道具立てです。

※私の持っているバージョンでは、プレイ可能人数3〜5人となっていますが、
 現在販売されているバージョンでは、7人までプレイ可能となっているようです。
 現在発売されているバージョンは、この紹介記事の内容とは、
 ルールかセット内容が若干変更されている可能性があります。


レビュー

シンプルな道具立てと非常に簡単なルールで、
手軽にジレンマと駆け引き、更にはカード運に翻弄される楽しさを味わえるゲームです。

ゲームは、山札のカードを1枚場にめくるところから始まります。

自分の番にできる事は、場のカードを手元に引き取るか、
手元のチップを1枚場に支払って次の人にパスするかの二択のみです。

カードに書かれた数字はそのままマイナス点であり、
カードを引き取ると、書かれた分のマイナス点を引き取る事になります。
チップは1枚につき+1点で、カードを引き取ると同時に
それまで支払われたチップも受け取る事が出来ます。

マイナスの点数はあまり引き取りたくはないのですが、
パスばかりしていると、手元のチップがなくなってしまいます。
チップを持っていない人は、必ずカードを引き取らなければならない為、
パスしてばかりいるわけにもいかないのです。

ひとりのプレイヤーが連番の数字を引き取った場合は、一番小さい数字のみをカウントします。
(例えば[19]と[20]のカードを一人で持っていれば、[20]はカウントせず[19]のみカウント)
なので、例えば場に出た[19]のカードは原則として-19の価値ですが、
隣の数字の[18]や[20]のカードを持っている人にとっては、
引き取ってもマイナスにならないばかりでなく、
支払われたチップの分だけプラスになるという、大きなチャンスカードになる訳です。

カードの数字は全て連続しているのですが、
山札を作る前に、1/3近いカードをランダムに抜いてあるので、
自分が引き取ったカードの隣のカードが、山札に生きているとは限りません。

はっきり言って、かなり運の要素の大きいゲームなのですが、
幸運を享受するには、人事を尽くして天命を待つ必要があります。

プレイ感が軽く、短時間でテンポ良く楽しめ、
何度も繰り返し遊びたくなる、個人的にかなりオススメのゲームです。



リプレイ

大変申し訳ないのですが、リプレイ記事はまだ完成していません。(汗)
↓こちらは、プレイ中のイメージ写真です。



評価

言ってしまえば「運ゲー」なのですが、適度に戦略性があって、
短時間で手軽に、戦略、駆け引き、カード運、展開運といった、
「ゲームで遊ぶ楽しさ」をしっかり味わう事ができます。

チップがたまって、そろそろカードを引き取りたいなと思う頃には、
他のプレイヤーに引かれてしまうので、引き取り時の判断は中々悩ましい所です。

連続した数字のカードを引き取った時、一番小さい数字のみカウントするルールが絶妙で、
単なる失点の押し付け合いでない、程よい戦略性を生み出しています。

自分の持っているカードの隣の数字が場に出たときは、
他のプレイヤーからチップを搾り取るチャンスです。
特に高目(大体30前後以上)のマイナスカードを持っているプレイヤーは、
大きなマイナスカードのリスクを負っている分、チャンスの時にしっかり稼ぎたいのですが、
調子に乗って搾っていると、誰かにリスク承知で引き取られてしまったり、
バースト(チップが無くなって、引き取らざるを得なくなる)されてしまうかも知れません。

運の要素のかなり大きいゲームなので、どんなに最善を尽くしたつもりでも、
カード運で如何ともしがたい場合が少なくない点は、人によって好みの分かれるところかも知れません。
(私はそういう部分も含めてこのゲームの魅力だ思っているのですが)

極めてシンプルにまとまっていながら、ロジカルな美しさのあるルールで、
軽目のゲームとしては、個人的には傑作といって良い作品だと思っています。

私の評価は9点です。



攻略のヒント

1.他人のチャンスを妬むべからず
 このゲームで勝てないありがちなタイプは、他のプレイヤーのチャンスがどうしても許せない人です。
 確かに、自分が引き取ったカードの隣の数字が場に出たプレイヤーは、その上に積まれたコインの分だけ
 儲けることができる大きなチャンスなのですが、それが悔しいからと他のプレイヤーがカードを引き取ってしまうと、
 当然ながら引き取ったプレイヤー自身が大きな失点を引き受けることになってしまいます
 以前コラムにも書きましたが、これはチャンスを逃した相手とチャンスを妨害した自分だけが損をして
 それ以外のプレイヤーに相対的に漁夫の利を与える典型的な行為で、これをあまり繰り返すと
 自分の勝ち目がなくなるばかりでなく、ゲームバランスそのものを破壊してしまいかねません。
 カード運にもよるのですが、原則として全てのプレイヤーにチャンスはやってきます
 あまり図々しく搾ろうとされない限り、他人のチャンスには適当に稼がせておけば良いのです。
 勿論、状況によってはリスクを承知で妨害を優先しなければならないケースもあるのですが、
 そういう状況は決して多くはありません。


2.高目戦略と安目戦略
 このゲームの作戦は、大雑把に言って高目戦略安目戦略に分けられます。
 (二つの作戦を同時に行なったり、両者の中間的な戦略を取る場合もあります)
 多くの場合、最初に引きとったカードによって作戦の方向がかなり決まるのですが、
 安目戦略(大体19以下位のカードを集める作戦)を狙う場合は、
 チャンス(自分の持っているカードの隣の数字のカードが場に出た時)で欲張り過ぎると、
 他のプレイヤーにカードを引き取られてしまう危険が大きくなる為、あまり無理をしないで
 確実にカードを引き取ってしまうのが良いでしょう。(私はいつも「小銭で満足」と鼻歌を歌いながら引き取ります(笑))
 逆に、高目戦略(大体30前後以上)を狙う場合は、カード自体のマイナスのリスクが大きいので、
 チャンスの時にはある程度頑張ってチップを稼ぎたい所です。
 それ故、チャンス時に誰かにバーストされてしまうのは非常に痛いので、バーストしそうなプレイヤーには
 特に気を配っておくべき
で、場合によっては自分にチャンスが来る前に、
 バーストしそうなプレイヤーにチップを回しておく必要すらあるかも知れません。
 なお、で示したようなタイプのプレイヤーが参加している場では、高目戦略を狙うのは得策ではありません。


更なるヒントはこちら



アンケート

評価平均:7.14点

名前 評価 感想
ゆうめい (詳しい感想は「評価」を参照して下さい)チップの枚数は非公開なので、正確にプレイするには各自のチップの枚数をカウントしなければならないのですが、ゲームのテンポも早いですし、中々きっちりとカウントしきれるものではありません。どうしてもアバウトなカウントになりがちなので、早くカードを引き取って欲しいプレイヤーは、搾りに来ている相手にプレッシャーをかける為に、今にもバーストしそうな演技を入れてきたりします。(笑)
いとう 上手くカードを繋げて点数をおさえられると嬉しいですがなかなか上手くいかないことも。後半の手持ちチップが少なくなってきた時に大きな数字が出るとアツいですね。
榊しげる チップを置くか、カードを取るか、という簡単なルールでありながら、何度やってもプレイ感がつかめない。連番のカードが続けて出ると若干場が白けるのでシャッフルは念入りにやった方がいいと思う。運の要素が大きいので、軽い気持ちでプレイするのがいいのかもしれない。
新撰組680 古い洋画の、酒場でポーカーに興じる男達のゲームをそのままゲシェンクに置き換えてもいけそうなゲーム。昔ながらのカードゲームをまとめ直した様な雰囲気のルールは、なれればシンプルで取っ付きやすい。洋酒をちびちびやりながら夜長を過ごしたい渋い男のゲーム感が漂ってて良い。
すくーる ルールも簡単で盛り上がります。カードが良く切れてなかったりするとキビシイ。
BLACKHEART コインとカードを秤にかけて引き受けるべきか積むべきか…。ルール自体はわかり易いケド、その判断が難しい!
辻善 思った以上に運が支配している為勝敗をコントロールするのがかなり難しいゲーム。とはいえ嫌なカードを押し付けたり引き受けたりする駆け引きやコインを握る手がじっとりとしてくる緊張感は独特の楽しさがある。人を選ぶとは思うものの、麻雀やブラックジャックが好きな人には間違いなく楽しく感じる要素が詰め込まれた名作。お酒を飲みながら気の合う仲間とダラダラ楽しむ酒の肴のようなゲーム。


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