パレード  〜お客を退屈させないように、不思議の国のパレードを開催しよう〜

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カードゲームなので、は小さめです。
写真は私が所持している2010年に発売された英語版なのですが、
昨年(2016年)に、装丁を新たにした日本語版が発売されたので、
折角なのでこの機会に紹介したいと思い取り上げてみました。

カードに書かれた情報は数字のみで、プレイに言語依存は全くないので、
日本語のルールブックさえあれば、海外版でもプレイに支障はありません。


使用するのは、6色のカードのみです。

レビュー

*不思議の国のパレードの始まり

不思議の国の仮装パレードには、様々なお客がやってきます。
彼らは、退屈するとクレーマーとなって、貴方のところに文句を言いに来ます。
なるべく自分のもとにクレーマーが来ないように、パレードを盛りたてましょう。


プレイヤーは5枚の手札を持ち、手番になったら場に並べられたカードの行列の最後尾に
手札から一枚カードをプレイします。
ここで、列に並んだカードを引き取るかどうかの判定を行います。
引き取らされたカードは、自分の前に表向きに置いて公開します。

引き取ったカードに書かれた数字がマイナス点となるゲームなので、
プレイヤーは基本的にはなるべくカードを引き取らない方が良いです。

*プレイしたカードの数字の大小でそれぞれの効果

プレイしたカード数字の枚数分だけ、引き取り判定をパスできます。
例えば行列に10枚カードが並んでいる時に[7]のカードをプレイすれば、
最後尾から7枚目までのカードをパスして、8枚目以降のカードだけ引き取り判定をします。
つまり、プレイしたカードの数字が大きい程、より多くのカードの引き取り判定をしないで済みます。

引き取り判定になると、プレイしたカードの数字と同数以下の数字のカードを引き取る事になります。
例えばプレイしたカードが[7]ならば、判定時に7以下の数字カードを全て引き取らねばなりません。
つまり、プレイしたカードの数字が小さいほど、引き取り判定でカードを引かされにくくなります。

大きい数字も小さい数字も一長一短で、その使いどころが勝負の展開を左右します。
また、プレイしたカードと同色のカードは、引き取り判定の際に数字に関係なく引き取らなくてはいけません。

引き取り判定を終えたら、山から1枚カードを引いて手札に加え、手番が終了します。


こうして手番を繰り返し、山札が切れる誰かが一人で6色目のカードを引き取るかしたら、
そこからもう一周だけ、カードの補充なしで全員が手番をプレイします。
最後に手札に残った4枚から2枚を選んで、自分の前に引き取ったカードに付け足して、ゲーム終了です。

*引き取ったマイナス点の少ないプレイヤーの勝利

引き取ったカードは、書かれた数字の分だけマイナス点になりますが、
各色毎に一番枚数を集めた人は、カードに書かれた数字でなくカードの枚数がマイナス点になります。
例えば[2][4][6][8]の4枚を引き取るとマイナス20点ですが、
この4枚が全て同じ色で、この色のカードを5枚以上集めたプレイヤーがいなければ、
マイナス4点で済む事になるのです。

引き取ったカードのマイナス点の合計が最も少ないプレイヤーの優勝です。

要するに、なるべくカードを引き取らないほうが良いが、
どうせ引き取るなら同じ色のカードを沢山集めた方が良いのです。


言葉で説明されると何だかピンと来ないかも知れませんが、
実際にプレイしてみれば、ルール自体はさほど難しくはないと思います。

運の要素は大きいですが、戦略性も結構豊富な、一風変わった味のカードゲームです。



リプレイ

大変申し訳ないのですが、リプレイ記事はまだ完成していません。(汗)
プレイ中のイメージは、こんな感じです。↓



評価

*ユニークなシステムのカードゲーム

一応「不思議の国のアリス」の世界観がテーマになっていますが、
正直なところプレイしていてテーマとゲームシステムが一致してる感じはあまりしないですね。(笑)
とはいえ、「アリス」の世界の奇妙なキャラクター達とこのゲームの独特なプレイ感は、
漠然としたイメージとして何となく共通するところがある様な気もします。

(私が知らないだけかも知れませんが)他に似たシステムのゲームを見かけないので、
最初のインスト(ルール説明)の時「○○みたいなゲーム」と言えなくて少し困ります。(苦笑)
そんな、ちょっと独特なシステムのゲームなので、最初は少し戸惑うかも知れませんが、
1ゲームプレイするうちに、ある程度コツもつかめると思います。

*カード引取りをめぐる戦略と駆け引きが熱い

「なるべくカードを引き取らないようにする」事と「引き取るなら、なるべく同じ色を沢山集める」事を
平行して狙わなければならないので、判断の切り替えのタイミングが悩ましく、面白いです。
レビューにも書きましたが、大きな数字にも小さな数字にも充分戦略的な意味があり
それぞれの短所と長所を使い分ける事と、やや半端な中間的な数字のカードの使い所が重要なポイントとなります。

プレイ人数は2〜6人ですが、人数によってもプレイ感はかなり変わります
プレイ人数が多い時は、ひたすらカードを引き取らずに耐え切ったプレイヤーが勝つパターンが多いのですが、
少人数プレイの時は、「いかに引き取るか」もかなり重要な要素になってきます。

*バランス良くまとまった隙のないゲーム

状況次第では、一気に巨大な失点を引き受けざるを得なくなる場合もあるので、
一発逆転もないわけではありません。
最後に手札から2枚追加するルールも終盤に良い感じでコクを添えています。

運の要素がかなり大きいことは間違いないのですが、戦略的な要素も大きく、
全体的に良くまとまった隙のないゲームだと思います。


私の評価は8.5点です。


攻略のヒント

1.大きい数字と小さい数字の特徴を理解するべし
 大きい数字と小さい数字それぞれの特性は、「レビュー」にも書きました。
 それぞれの使い方のコツですが、まず大きな数字のカードは、
 その数字よりも列が長くなると、カードを引き取らされる可能性が高くなってしまうので、
 使える時にはなるべく積極的に使ってしまった方が良いと思います。
 後で使おうと思ってもったいぶっているうちに、列が伸びてしまって出す機会を失うのは
 良くあるパターンですし、(特に終盤は)数字の大きなカードを手に残してしまうと
 最後に残すカードの選択が苦しくなってしまいます
 
 小さい数字のカードは、カードを引き取らない為に使える事もありますし、
 特定の色のカードだけ引き取りたいときにも有効です。
 逆に、引き取りたくない色のカードが場に出ている時はちょっと苦しくなりますが、
 最後まで手に残しておく事が出来れば、最後に残すカードの選択が非常に楽になります。


2.低い数字のカードをセットで引いてしまう手は有力
 同じ色の[0][1]の2枚とか、[0][1][2]のような3枚を同時に取れるチャンスがあれば、
 いち早く取ってしまうのも非常に有力な手段です。
 この取り方は、仮にその色の枚数で1位になれなくても痛くないにもかかわらず、
 他のプレイヤーがその色を引き取る時は、少なくとも貴方の枚数を越えないと痛手をこうむる為、
 対戦相手に対して大きなプレッシャーを与える事ができるからです。
 こうして低いカードのセットを取った後は、単なるプレッシャーとしてそのままにしておいても良いですし、
 状況次第ではその色の1位を目指す作戦にもシフト出来るので、
 中盤から終盤の選択肢を広げる意味でも悪くない作戦だと思います。



アンケート

評価平均:7.63点
名前 評価 感想
桐原 バースト系数列ゲーム。プレイ感覚が、僕の大好きな6ニムトに少しだけ似ていると思います。気分のいいハラハラ感です
ゆうめい 8.5 (詳しい感想は「評価」を参照してください) 自分の手番の目前で誰かが力尽きてくれると、非常にほっとします(笑) つい場のカードにばかり目が行ってしまいますが、終盤は手札に何を残すかが意外と重要です。
ひらやん 初プレイは漫然と進めていくだけで、結果として取ることになった8のカードが重くのしかかる。2プレイ目は小さい数のカードを取ったり、カードの色をそろえたりと、考えながら楽しめた。最後に残す手札2枚が熱い。
りょうえい 場に並んだカードをいかに自分で取らず相手に引き受けさせるかを駆け引きするゲーム。引き受けてしまったカードはマイナス点だが、同じ種類のカードを誰よりも集める事ができればマイナスを軽減できる為、あえてカードを集める戦略へスイッチするタイミングが重要になる。この部分が面白さのミソだと思う。
アキラ 7.5 マイナスカードをなるべく引き取らないようにするゲームです。目的が単純なので、お試しでプレイしてもすぐに理解でき、普段トランプ程度しかやってない人でも楽しめると思います。ゲーム中トップ独走、もしくはドベに見えても、ゲームの進め方やめぐり合わせによって充分逆転のチャンスがあるので、ゲームが終わるまで緊張して遊べました。
西野沢 みんなで毒をちょっとずつ食べていく大会。皿まで食べた人は解毒薬がもらえますよ、みたいな印象。ゲーム自体は分かり易くて手軽に楽しく遊べましたが、ゲーム名と遊び方とカードの絵柄があんまり結びつかないのがなんかもったいない感じ
榊しげる 6.5 自分の失点をいかに最少に抑えるかが重要なので意外と対人的ではない。人数が増えるほど大味になりカード運と展開運で勝者が決まる。プレイ人数3人くらいなら技術介入の余地があるかも。ダウンタイムが長くなりがちなのもマイナス点。
戸田 6.5 このゲームは2〜3人の少人数でやるほうが戦略的なゲームになっておもしろいと思う。 積極的に特定の色を確保して、相手が支配色にしようとしてる色をアグレッシブに攻撃する戦術が有効になるからだ。


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