コンコルディア 〜古代ローマ帝国を発展させて神々の恩寵を得よう〜
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画:ゆうめい
コンコルディアの箱絵のパロディーです。
コミックマーケットで発行したコピー誌「希望の船vol.11」の表紙用に描いたイラストです。
箱です。
この写真はドイツ語版ですが、現在は日本語版も発売されています。
日本語版は、箱絵は同じですがタイトルのバックの色が上の写真の赤茶色から
もっと薄い黄土色になっています。
ボードは、表と裏で1〜4人用のイタリアマップと、3〜5人用のヨーロッパマップが用意されています。
上の写真はイタリアマップです。ヨーロッパマップに比べて配置が素直で、やや初心者向けと思います。
使用するカードとコマです。
奥列の左側が、それぞれ布,ワイン,道具,食料,レンガを表す5種類の資源コマ、
その右が場札用のカードの山と、大長官カード,コンコルディアカードです。
中段が左から、コイン,ボーナスマーカー,シティトークン,場札用カードの表面です。
前列は、各プレイヤーに配られる倉庫ボードと、初期手札,サマリーカード,各種コマです。
レビュー
*古代ローマを舞台に、自分の王朝を繁栄させよう
古代ローマ帝国を舞台に、自らの王朝を率いてより多く神の恩寵を勝ち取るゲームゲームです。
人数やメンバーにもよりますが、プレイタイムは大体1時間半〜2時間位と言ったところで、
最近のゲームとしては結構重目の、本格的なボードゲームです。
ボードは、1〜4人用のイタリアマップと、3〜5人用のヨーロッパマップが用意されています。
素直なイタリアマップに比べて、ヨーロッパマップはややトリッキーで意地悪なので、
プレイヤーが4人以下なら、最初はイタリアマップでプレイするのが良いと思います。
*ボード上に家を建て、カードを買う事で得点を得る
重目のゲームではあるのですが、プレイヤーが手番で出来ることは、手札からカードを1枚プレイして、
そのカードに書かれたアクションを行うだけなので、1ターン毎のプレイ感は意外とシンプルです。
プレイヤーは[建築家](*注1)でボードのマップ上の自分のコマを動かして各地に家を建て、
[長官]で様々な生産物やお金を獲得して、[商人]でそれらの生産物を売買し、
[元老院議員]や[執政官]で場からカードを購入します。
一度プレイしたカードは[護民官]というカードを使用すると、手札に戻ってきます。
他に、特定の生産物を産み出す各生産物の[専門家]のカードや、コマをマップ上に追加する[入植者]、
他のプレイヤーの直近のアクションをコピー出来る[外交官]などのカードがあります。
大雑把に言うと、プレイヤーはマップ上に家を沢山建てる事と、
場に売りに出されているカードを沢山獲得する事で得点を得ます。
手番にやりたい事はたくさんあるのですが、その為に必要な生産物やお金がいつもカツカツな上、
他のプレイヤーの動向も考慮しなければならないので、プレイの順番をどう組み立てるかはかなり悩ましいです。
ボード上のマップは、複数の属州に分かれています。
家は、ひとつの属州にまとめて建てた方が生産物の獲得が楽になりますが、
あちこちの属州にばら撒いた方が得点にはなりやすいです。
*カードを1枚プレイしてそのアクションを行うだけのシンプルなシステム
誰かが15個の家を全てボード上に建築するか、場のカードが全て購入されたら、
そこからもう1巡だけプレイしてゲーム終了です。
それぞれのカードには、対応する神の名が書かれています。
神々は様々な形で得点をもたらしますが、概ね家を沢山立てる事と得点が連動しています。
例えば、「サトゥルヌス」は家を建てた属州1つ毎に1点をもたらす神なので、
10個の属州に家を建てたプレイヤーは、「サトゥルヌス」のカード1枚毎に10点を獲得できるのです。
ゲーム終了時、自分のデッキのカードの神々の得点を合計し、最も得点の高いプレイヤーの優勝です。
(注1)私は日本語版を所持していない為、紹介記事中に登場するードの名前の訳語は
日本語版のものと異なっている可能性があります。
リプレイ
大変申し訳ないのですが、リプレイ記事はまだ完成していません。(汗)
上の写真はヨーロッパマップをセットアップした状態です。
評価
*重目の本格ゲームとしてはルールが少な目なのが特徴
プレイタイムが重目で本格的なゲーマー向けのゲームなのですが、
その割にはルールが少な目で、インスト(ルール説明)にも比較的時間がかからない点は、
このゲームの大きな売りの一つだと思います。
レビューにも書きましたが、手番で出来ることはカードを1枚プレイしてそこに書かれたアクションを行うだけなので、
各々のカードのアクションの説明をすれば、ルール説明の八割方が終わっているのです。
後は、細かな補足ルールと得点の計算方法を説明すればゲームに入れます。
*手札となるカードを買い集めるのが重要だが「デッキビルド」の要素は薄め
カードを集めて手札を増やしながらアクションを強化していくことから、
ぱっと見「ドミニオン」のようなデッキビルド(手札構築)系のゲームのように見えますし、
実際そのように紹介されている記事も良く見かけるのですが、個人的には、
いわゆる戦略的なデッキビルドの要素は(皆無ではないものの)殆どないゲームだと思っています。
自分の行っている戦術にマッチしたカードを購入するに越した事はないのですが、
実際の所このゲームでは、殆どの場合「どのカードを購入したか」よりも、
「何枚カードを購入したか」の方がはるかに重要だからです。
それが悪いといっている訳ではなく、むしろ良い点だとさえ思うのですが、
いわゆる「デッキビルド系」のゲームを期待してプレイすると違和感を覚えるかも知れません。
*競争と妨害と相乗りの要素がバランスよく含まれたゲーム
ゲーム終了後の得点計算が結構厄介なのが、このゲームの欠点のひとつなのですが、
ネット上に便利なプレイシートをアップして下さっている方がいるので、
このシートをプリントして使用するだけで、得点計算が劇的に楽になるので非常にお勧めです。
プレイシートを使用する事で、全体的な優劣の見通しもかなり良くなります。
他人より一足先に家を建てるスピード競争の側面はあるものの、直接的に相手を攻撃する要素はありません。
また、運の要素は殆どないゲームなので、一発逆転といった展開になる事は少ないです。
そこら辺りは人によって好みの別れる所かも知れません。
私の評価は8点です。
攻略のヒント
1.[護民官]の空振りを避け、ボード上のコマ(入植者)を増やすべし
[護民官]は使用したカードを手札に戻せる唯一のカードですが、同時にボード上のコマ(入植者)を
増やす効果も持っています。ボード上のコマを増やす事によって、行動の選択肢が増える上に
コマの移動力を上げる事にもなるので、特にゲーム序盤のうち[護民官]を使用して手札を戻す時は、
必ずコマを増やすアクションも同時に行いたいところです。
[護民官]を使用する時にコマを増やす為には、手元の資源に[道具]と[食料]を準備しておかねばなりません。
場合によっては[護民官]を使用する数ターン前から計画的に準備しておく必要がありますし、
その為に家を建てたりカードを買うアクションが何ターンか遅れてしまう場合も出てくるかも知れません。
しかし、例え準備の為に何ターンか手が遅れる事になっても、そうする価値は十分にあると思います。
2.どちらのカードを使うか迷ったら、[外交官]の方を使っておくべし
[外交官]は、他のプレイヤーの捨て札のトップにあるカードの能力をコピーする効果があります。
あるアクションを、[外交官]でも普通にそのアクションのカードを使用しても実行可能なケースで
どちらの方をを使用するかは、中々悩ましい所です。勿論、本来は先々の手順までしっかり考慮して
判断すべき事ではあるのですが、その時点でどうして良いか良く分からない時には[外交官]の方を
使っておくのが正解になる場合が多いようです。理由はシンプルで、次の機会に必ずコピーするのに
都合の良いアクションが場に出ているとは限らないからです。
なお、誰かが場のカード売り場から[商人]を買った後は、(場から買った[商人]は、元々手札にある
[商人]よりもボーナスの)収入が大きい為)それが格好のコピーの標的になりますので、そのチャンスの
あるうちは[外交官]を残しておくのが正解になるケースも増えてきます。
さらなるヒントはこちら
アンケート
評価平均:8.20点
名前 評価 感想 榊しげる 9 最初に覚えることが多く、点数の稼ぎ方も複雑な点を除けばゲームとして非常に面白い。戦略が上手くハマったときの爽快感は格別でやり込みがいがある。運要素が少ないので上級者との差や、ゲーム中盤以降の格差は埋めがたい。 百八 8.5 都市を取って品物を生産してお金を得て…という良くある流れのゲームだけど完成度が高い。アクションはサンファン式だけど、獲得したカードが手札に入って勝利点とともに選択肢が増えていくのがこのゲームの肝なのかなと思います。カードを出して行動を決めるゲームは、何かどれも安定感があって好きです。 那緒 8 勝利点の倍率を上げ、できるアクションを増やす為のカード購入と、資源の生産と勝利点の大元となる建物の建設の二つがどちらも行いたく悩ましい。カード購入・建物の建設のどちらとも先に行ったプレイヤーが有利になる所がさらに行動を悩ませる。色々な拡張MAPがあるとの事なので他のMAPもぜひプレイしたい!ゆうめい 8 (詳しい感想は「評価」を参照してください) 終始ジリジリした感じと言うか、やりたい事をやろうとすると、何故かいつもほんの少しだけ資源やお金が足りないんですよね。(笑) 良く出来てます。他のプレイヤーとの競争の要素と、持ちつ持たれつで協力し合う要素のバランスもいい感じだと思います。 桐原 7.5 なんかどっかで見たことある要素をいろいろ取り込んでうまいことまとめたゲーム…って言うと最近のゲームはだいたいそうなのかもしれませんが、どの要素を色濃く感じるかは人によって違いそう。私は『プエルトリコ』と『カタン』と『ドミニオン』を感じます。大仰なボードゲームは疲れるので点数を低くしがちですが、これのプレイ感はけっこう好きです。
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