カルカソンヌ  〜地形タイルを敷いて城塞都市の地図を作る〜

「ゲーム紹介」のトップに戻る



画:もりもりぎゅるエロス
*)「希望の船」のゲーム会では、平原に弟子を派遣する事を「寝る」と呼んでいます。



カルカソンヌの箱です。



ゲームで使用するタイルと、得点ボードです。



手下コマです。
私たちは、弟子と呼んでいます。(笑)




レビュー

道路平原城塞都市修道院等が描かれたタイルを組み合わせて、
それらの描かれた地図を作るゲームです。
都市や平原や道路等に手下(私達は「弟子」と呼んでいます)を派遣して得点を稼ぎます。

自力で開発するばかりでなく、他人の育てた都市や平原を共同経営したり、
場合によっては横取り(私達は「寝取る」と呼んでいます)したりする事も可能で、
それによって大逆転も起き得る事が、戦略に大きな幅を持たせています。

ルールは簡単ですが、悩みどころ考えどころも多く、上手い手を発見した時は嬉しくなります。
タイルをめくった後は全てが公開情報になるので、初心者の方に周囲がアドバイスし易いので、
ゲームに馴染みのない方に勧めるのにはうってつけのゲームだと思います。

タイルは紙製ですが軽くて丈夫で、更に型から外す時にバリが出ないような作りになっています。
木製のコマもいい感じですし、箱にはタイルがきちんと収容できるスペースが作ってある等、
細かな所に神経が行き届いた作りになっているのも、いかにもドイツゲームと言う感じで好感が持てます。

2001年のドイツ年間ゲーム大賞と、同年のドイツゲーム大賞を受賞しています。


リプレイ


4人プレイのスタートです。
全員の手元には、まだ7人ずつの手下(私たちは弟子と呼んでいます。以下弟子と表記します。)がいます。

写真で2枚ん並んでいるタイルの左側の方が、スタートタイルです。
プレイヤーは、自分の番になったら山から1枚タイルをめくり
めくったタイルを、既に置かれたタイルに接して、絵の符丁が合うように置きます。

得点は、タイルに描かれた地形に弟子を派遣する事によって得られます。
ただし、派遣できる弟子の数には限りがある為、弟子を派遣する際には状況判断が必要です。
タイルには、道路都市平原修道院の4種類の地形が描かれていて、
それぞれ弟子を派遣した時の得点の入り方が異なり、そこに戦略と運の要素が介在してきます。

道路は、枚数も多く、確実に得点になりますが、得られる得点は低いです。
都市は、完成させると高得点なので、是非とも完成させたい所です。
平原は、展開によって枯れる場合と、非常に高得点になる場合があります。
高得点の平原は、後半の寝取り合戦の舞台になることも多いです。
修道院は、タイミングにもよりますが、引ければ高得点になる場合が多いです。
また、平原を広げる役割もあるので、平原寝取り合戦にも絡み易く、
終盤の急所で修道院を引けるかどうかが勝負を分ける場合も多いです。


平原以外の地形に派遣した弟子は、その地形が完成すると手元に帰ってきますが、
平原に派遣した弟子はゲーム終了まで帰って来ないので、あまり調子に乗って派遣しすぎると
手元の弟子コマの数に余裕がなくなってしまう為、特に序中盤では注意が必要です。
ルールブックでは、区別の為に、平原以外に派遣した弟子は立てて置き、
平原に派遣した弟子は横にして置く事になっています。
弟子を横にして置いた様子が何となく平原に寝そべっているようなので
「希望の船」のゲーム会では、平原弟子を派遣する事を「寝る」と呼んでいます。



中盤〜終盤の入り口くらいの局面です。

左上の得点ボード上では、黄色がリードしているように見えますが、
榊しげる氏と、青のらくだ氏が、修道院の含み資産と、順調な都市開発でリード。(と私は見ていました)
の私(ゆうめい)は、序盤で都市をあまり引けなかった上に修道院も全く引けず、出遅れてしまった為、
弟子を早めに平原に派遣(私たちは寝ると呼んでいます)したり、都市共同経営を狙うアグレッシブな戦略に出ています。
序盤に、勝負!という感じで弟子寝かせた左側の平原は、期待に反してやや枯れ気味です。(笑)
右奥と、中央奥で、都市に対して、共同経営を狙っています。
中央奥では榊しげる氏が、そうはさせじと2人目の弟子を送り込もうとしています。
寝取り合戦では、弟子の数の多い方のプレイヤーが、全ての得点を得る事が出来ます)
黄色こま氏は、修道院の含み資産はあるものの、都市が中々引けず、
に比べてやや苦しいかと思っていたのですが・・・。




ゲーム終了時点のボードです。

中央の都市寝取り合戦は、榊しげる氏が、
3枚しかない【共同経営拒否タイル】(と私たちが呼んでいるタイル)を引いて、
の私(ゆうめい)の目論見は失敗に終りました。

一番奥の都市は、共同経営に成功しましたが、黄色こま氏も後から参画。
黄色は更に、終盤で修道院を引いたり、自前の都市を完成させたりして猛追!
勝負の行方は分からなくなってきました。

手前の平原はあまり伸びず、逆に終盤になって、中央奥の平原が急に肥沃になりました。
そこを抑えたが逃げ切ったのかなという感触でした。

は最後の2回のツモで、右手前の平原と中央の平原を繋ぐタイルを引ければ
逆転かも知れないと思っていたのですが…。




ボード上に残った弟子を回収し、得点計算を終えた局面です。
得点ボードに注目!




なんと、黄色が同点で並び、が2点差で勝利!
作ったような接戦となっていました。。

終盤でが思惑通り、右と中央の平原を繋ぐ事に成功していると、
平原を寝取られた黄色の得点はグンと下がりますが、
の得点もやや減る為、の優勝になっていたようです。(笑)






評価

実は、私が最初にプレイしたのはこれの続編に当たる「カルカソンヌ2」でした。
他所でプレイして面白かったので、「希望の船」参加者にも勧めようと思ってゲームショップに行ったのですが、
たまたま「カルカソンヌ2」が品切れだったので購入したのが、この元祖「カルカソンヌ」でした。
両者を比較した印象は、「〜2」の方がバランスは良いと思いますが、本家のシンプルさも捨てがたいかなという感じです。
ゲームに馴染みのない方に勧めるなら、ルールが簡単なこちらがオススメです。

最初にこのゲーム(「〜2」でしたが)を見た時、
まずタイルを敷いて地図を作って行くというアイディアに感心し、
とてもワクワクしながらプレイしたのを良く覚えています。
(これ以前にも、同様のアイディアのゲームがあったのかも知れませんが、私はこれが初見でした)
次第に地図が完成していく感じは、何回やっても楽しいですね。
特に、序盤のどこが延びていくのかさっぱり分からない感じには、いつもワクワクしますし、
中終盤で、欲しいと思っていたタイルをズバリ引いた時は、テンションが上がりますね。
毎回展開が変わるので、繰り返しプレイしても飽きにくいですし、
共同経営
寝取りの要素が、ゲームの戦略性を高めています。

2人でプレイしてもかなり面白く遊べるのも、このゲームの特徴です。
これを買ってからしばらくは、榊しげる君とヘビーローテでプレイしまくりました。

非常に良く出来た面白いゲームである事は間違いないですし、
実際買った直後はかなりハマッタので、もっと高評価でも良いのですが、
繰り返しプレイするうちに、ややツモ運勝負の感じが強すぎるかなと思うようになりました。

そんな訳で、私の評価はちょっと抑えて8.5点としておきます。


攻略のヒント

1.タイルの待ちは広く取る
 自分が広げたいと思っている都市は、なるべく周囲にタイルの少ない方へ伸ばすようにします。
 広げたい都市の隣にタイルがあるだけで、いわゆる「待ちの狭い」状態になってしまい、
 引かなければならないタイルの形が限定されてしまいます。
 隣のタイルの地形が平原なら、さほど待ちは狭くならないのですが、
 そこに道路があるだけで、かなり置けるタイルが限定されてしまうので、注意が必要です。

 平原は少しずつ広げて行く事も可能ですが、既にある平原同士を繋ぐ事で一気に大きくなります。
 平原で頻繁に生じる共同経営や寝取り合戦の為にも、非常に重要なテクニックです。
 平原を繋ぐコツは、次に【平原に道路が一本(直線か曲がり道)描かれたタイル】を引いた時に
 隣の平原と繋がるような配置を考える事です。
 それらのタイルは枚数が多い(しかも他の利用価値が低い)ので、
 そうする事が「待ちを広く取る」事になっているのです。

2.都市の大きさは程々に
 このゲームをプレイすると、不慣れなうちはやたら大きな都市を作りたくなるものですが、
 あまり都市を広げすぎると完成させられなくなるリスクも大きくなりますし、
 何より美味しそうに育った都市を独り占めしたいなんてわがままは、当然周囲も黙って見過ごしてはくれません。
 このゲームは一旦都市の共同経営を狙われると、【それを拒否できるタイル】は
 非常に枚数が少ないですし(全体で3枚しか入っていません)、独占を狙って寝取り合戦になると、
 弟子の個数にも余裕がなくなって、全体の戦略にも支障をきたしてしまいます。
 ハイエナが寄って来る前に、程々の所で都市は閉じてしまいましょう。
 都市は完成させれば十分高得点なのですから。


更なるヒントはこちら


アンケート

評価平均:7.50点

名前 評価 感想
ゆうめい 8.5 (詳しい感想は本文を参照して下さい) 買った直後はかなりハマって、榊しげる氏と2人プレイをやりまくりました。その時期、榊氏は夢にまでこのゲームが出てきたそうです。(笑) 開始時点では地図がどっちに延びるか分からないので、テーブルの上でプレイするとタイルが卓からはみ出す事が良くある為、床でプレイするのがこのゲームを遊ぶ時の正しい姿なのかも知れません。(笑)
榊しげる タイルを繋げて世界を作るのが楽しい。ルールが簡単なうえすべてが公開情報なので、初心者にアドバイスができる。おかげで敷居が低いが、反面引いたタイルの置き方に差がでにくいので引きの強い人がそのまま勝ってしまいがち。勝とうと思ったら、出たタイルと山のタイルをカウントして置き方を考えるべきなのだろうが、そういうゲームでもない気がする。
すくーる 3〜4人でプレイするゲームとしては簡単すぎず難しすぎず面白いゲームでした。ただ"平原に寝る"という概念は初プレイでは理解するのが難しいので初心者ルールで"平原に寝る"ルール抜きでやるのもよいかもしれません。
michi 平野の点の数え方が慣れるまで分かり難いが、周囲に教えてもらってもゲームを大きく左右しないのはラクかな。共同経営とか乗っ取りはゲームのキモだけど恨まれるかも。
もりもりぎゅるエロス 自分の城を築いて行くのだが、広げすぎても門が閉じられなくなり、ポイントが獲得できない。また、対戦相手=敵という訳でもない。
新撰組680 初心者の私には、深い懐を感じさせるゲーム性ではあるけれど、初プレイではやや、ゲーム中のどこに一喜一憂すればいいのかが伝わりにくかった。”地面で寝る”技の使い所が判りにくいのも難点。でも、「判ると凄く面白いんだろうな」感をひしひしと感じるので何度も挑戦したくなる。
らくだ 「寝る」感覚が自分の中に出来ないうちはあまり勝てないが、逆に、寝方さえ分かれば勝つ見込みが大きくなる。また、土地カードの引き運もかなり大きくゲームを左右する。私は、最初のうちこそ苦手意識があったが、回数を重ねると苦手意識が消えてきた。また、全ての情報がオープンなので、うっかり口がすべってしまうタイプ(自分のこと)でも安心して遊べるという点も評価出来る。


「ゲーム紹介」のトップに戻る
MENUに戻る

inserted by FC2 system