あやつり人形 〜様々なキャラを演じながら都市を建設〜
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箱です。
カードゲームなので、ボードゲームの箱に比べると小さめです。
左奥がスタートプレイヤーを示す王冠です。
以下、手前に向かって、建物カード、コイン、キャラクターカードです。。
レビュー
毎ターン様々なキャラクターを演じるながらプレイする、ファンタジーRPGの雰囲気のあるゲームです。
マルチプレイゲームならではの、プレイヤー同士の駆け引きをじっくり味わえるのが魅力です。
8人のキャラクターには、基本能力の他にそれぞれ個性的な特殊能力があり、
プレイヤーはそれらを駆使して相手を妨害したり、自分に必要なカードや資金を調達しながら、
自分の都市に建物を建設して行きます。
基本のルールの他に、8人のキャラクターの特殊能力を覚えなければならないので、
ルールは比較的重めのゲームだと思いますが、その分やりこみ要素は十分です。
対戦相手を妨害する手段が色々あるので、終盤でリードしていても
それらの妨害をすり抜けて勝利条件を満たすのは、結構大変です。
リプレイ
このゲームのシステムの最大の特徴は、
ラウンド毎に自分の演じるキャラクターを選ぶと言う点でしょう。
これが、このゲームに登場する、個性的なキャラクター達です。↓
左上から順に、
@暗殺者、A泥棒、B魔法使い、C国王
D伝道師、E商人、F建築家、G傭兵
の8人です。
なにやら影の薄そうな(笑)「国王」、いかにも金の亡者と言う感じの「商人」、芸術家風の「建築家」等、
キャラクターデザインも、中々の優れものと思います。
キャラクターカードは、ゲーム中の使用頻度が非常に高い上に、繰り返しシャッフルする為、結構傷み易いです。
しかも、ルール上キャラクターカードにガンがついて(裏から見てカードの内容が分かるようになって)しまっては
ゲームにならなくなる為、写真のようにスリーブに入れて使用するのが良いでしょう。
このゲームをプレイする為には、前提として、まずこれらのキャラクターの能力を覚える必要があります。
まあ、一覧表を見ながらプレイすれば、能力を覚えていなくても一応プレイ可能ではありますが、
スムーズな進行の為にも、流石に覚えてしまった方が良いでしょう。
各々のキャラクターの能力の詳しい特徴については、下にある「攻略のヒント」を参照して下さい。
さて、ゲームは前のラウンドで国王を演じたプレイヤーから順に、
今度のラウンドで自分の演じるキャラクターを選ぶ所からスタートします。
スタートプレイヤーは、まずランダムに1枚のキャラクターカードを裏返して
テーブルに置きます(私達は「埋める」と呼んでいます)。
「埋まった」キャラクターは、そのラウンドでは登場しません。
スタートプレイヤーは、「埋まった」キャラを除いた中から、自分の演じるキャラのカードを選び、
残ったカードを次のプレイヤーに回します。
以下、プレイヤーは順次自分のキャラを選択し、最後のプレイヤーには2枚のカードが残るので、
そこから片方を選択して、残った方を「埋め」て、キャラ選択終了です。
写真はキャラクター選択中の状態です。
5人プレイなので、最初に裏返しに「埋まる」キャラの他に、ランダムにもう一枚公開でキャラが「埋まり」ます。
5人プレイ独特の味付けです。
この写真では「商人」が「埋まって」いますね。
最後に「埋まる」キャラと合わせて、3キャラが「埋まる」ので、
アクティブなキャラクターは、プレイ人数と同じ5人となる仕組みです。
さて、キャラ選択が終ったら、国王が@番の暗殺者から順番に、キャラクターをコールします。
プレイヤーの行動は、座り順ではなく、常にキャラクターの番号順に処理されるのです。
国王「出でよ、アサシ〜ン(私達は、@暗殺者の事をそう呼んでいます)!」
暗殺者「はいは〜い」
本当はもう少し重々しく演じるべきなのかも知れませんが…。(笑)
これは別なラウンドの写真ですが、この写真では、@暗殺者と、A泥棒が登場していますね。
右手前のプレイヤーの前にある、王冠の絵の立て札が、スタートプレイヤー(前ラウンドの国王)を表す印です。
私達は「起家(チーチャ)マーク」と呼んでいます。(笑)
全てのキャラクターは基本能力として、@資金を2コイン得るか、又は、
A建物カードを山から2枚引いてそのうち1枚を得る事が出来ます。
これに加えて、各キャラクター固有の特殊能力を駆使して、自らの都市に建物を建設して行きます。
誰かが最初に8つ目の建物を建てたら、そのラウンドでゲームは終了で、
建物のポイントとボーナスポイントとの合計が最大だったプレイヤーの勝利です。
評価
「自分が何をすべきか」だけでなく、「他のプレイヤーが何を考えているか」を読み合うのが肝なので、
序盤から終盤まで、ゲームを通してコクのある読み合いが続きます。
ゲーム展開も他のプレーヤーの動向次第なので、個人的には、結構プレイ回数を重ねても、
今ひとつ勝ち方がピンと来ないゲームだなあと思っています。
(それが悪いと言っている訳ではなく、むしろやり込んでみたいと言う気持ちにさせられます)
運の要素も結構あるので、やり込んでも必勝法的なものは多分存在しないと思います。
参加プレイヤー全員がスキルアップしていけば、どんどん面白くなって行きそうですし、
同時にどこまで行っても難しいゲームなんだろうなと思います。
やりこんだプレイヤー同士で遊んでみたいと思わせるゲームです。
繰り返しプレイするとぐったり疲れるので、その域に達するにはまだまだ時間がかかりそうですが。(笑)
私の評価は8点です。
攻略のヒント
1.キャラクターの能力を知るべし
このゲームで重要な事は、言うまでもなく8人のキャラクターの能力を知る事です。
リプレイ記事にも書きましたが、このゲームで勝つ為には、
全部のキャラの能力を覚える事は、最低限の前提でしょう。
キャラクターの能力を、以下にまとめておきます。
@暗殺者
他のキャラクター1人を暗殺する。
A泥棒
他のキャラクター1人から盗む。
B魔法使い
他のプレイヤー1人と手札全てを交換するか、任意の枚数山札と交換する。
C国王
黄色の建物カード1枚に付き1コイン獲得。ラウンドのスタートプレイヤーになる。
D伝道師
青の建物カード1枚に付き1コイン獲得。傭兵から攻撃されない。
E商人
緑の建物カード1枚に付き1コイン獲得。コインを1つ獲得。
F建築家
カードを2枚獲得。同時に3枚まで建物カードを建てる事が出来る。
G傭兵
赤の建物カード1枚に付き1コイン獲得。
建設コスト-1コインを支払って、他プレイヤーの建物を壊す事ができる。
2.配牌を見て作戦を立てる
意見の分かれる所かも知れませんが、高目(大体4コイン以上)の建物が多い手は、
良い配牌と言って良いと思います。
良い手なら、奇策に走らず着実に高目の建物を建てに行くのが良く、その為には、
殺されるリスクを賭しても、カラーボーナスのあるキャラを引きたい所です。
安目(2コイン以下)の建物ばかりの手では、何らかの工夫が必要でしょう。
魔法使いでカードを入れ替える、暗殺者や泥棒でライバルを妨害しつつ
速攻(建物を建てるスピードで勝負)に出る、建築家を使ってカードの入手または速攻に出る、
等と言った戦略が考えられます。
更なるヒントはこちら
アンケート
評価平均:7.67点
名前 評価 感想 新撰組680 9 アナログゲーム初心者としては辛い面も多い。覚える事が多く、プレイ中「どうすればええねん」と途方にくれる事が度々。それでも面白く、のめり込めるのはゲームの完成度が高いからだろう。アナログゲームで徹夜するのにひとつだけ選べと言われたら、とりあえずこれを選ぶだろう。 あら☆たけし 8 人には天職というものがあります。私にとってのそれは「王様」でありまして、故に「王様」を選ぶ機会があったとき、自らを王となすのはマッタクもって自然の理でした。「王様」は無害な存在でありますので、誰からも恨みを買わず、長期政権にな るかと思われたのですが、このゲームは奥が深い。まさか、そんな理由で泥沼のテロ戦争に巻き込まれることになろうとは……!(汗) michi 8 とにかく周りが何をやるのかを読まないといけないのが難しい。 割と苦手。 関係ないけどキャラクターを可愛い女の子に差し替えたら雰囲気変わる? らくだ 8 ひと言で言えば、味の濃いゲーム。要素が多く、考える事も多岐にわたるが、だからといって難解というわけでもない。長考しがちに思えるが、意外と長考は少なく、ゲームは粛々と進む。私はたまたま大人同士のプレイしか経験していないが、これは案外、小学6年くらいの子が強いような気がする。 ゆうめい 8 (詳しい感想は本文を参照してください) 私は盗むのがとても下手です。(笑) アキラ 7 ルールの簡単さ:★★ 戦略性:★★★★ パーティー性:★★
コンポーネント:★★ 再プレイ:★★榊しげる 7 覚えることは多いが理解してしまえば、面白い。他のゲームと較べると技術介入度は高い。心理戦メインなので、好き嫌いはわかれると思う。適正人数が(おそらく)5〜7人と多めで、それ以下だと純粋に面白さが減るのもマイナス点。やりこめば更なる面白さが見えてきそう。 すくーる 7 毎ターン、職業カードを取り替えてプレイすることから「あやつり人形」とはな るほどと思いました。 個人的にはもうちょっと職業に愛着を持ちたいなーといった所。 最初の職業選択が非常に重要であるため、ゲーム開始までの時間がかかるのが ネックかも。 こま 7 まだ2回プレイしただけなので、 何をするのが良いのか今一つ分かってないです。 定石が見えてくればもっと面白くなりそう? (6人プレイ)
おまけ
あやつり人形日本語版
「あやつり人形」の、基本セット+拡張版を日本語化した「日本語版」が発売されました。
拡張版はいずれ買いたいと思っていたのですが、基本セットは既に持っていたので、
「日本語版」を買うと(拡張版のみを買うのに比べて)ちょっと割高にはなるのですが、
カードのテキストが日本語化されているのは大きいと思い、こちらを買う事にしました。
↑箱です。
上が、新たに追加された、紫色の建物、
下が、スタートプレイヤーを示すマーカーと、コインです。
カードの右上についた☆印が、新たに追加されたカードである事を示すマークです。
紫色の建物は様々な特殊効果を発動するので、入れすぎるとバランスが悪くなるので、
元のセットに☆付きを数枚混ぜる位が良いだろうというのが、デザイナーの意見です。
ちなみに、私の持っている基本セットには入っていないにもかかわらず、
☆印のついていない建物がひとつだけありました。何故なのかは謎です。
ご覧のように、国王(スタートプレイヤー)を示すマーカー(別名起家マーク)が、
王冠カード(とカード立て)から木製のコマに変わりました。
基本セットのキャラクターカードです。
これまで持っていたバージョンの和訳と、キャラクターの職業の訳語が以下の様に変更されています。
A泥棒 → A盗賊
B魔法使い→B奇術師
C国王 → C王様
D伝道師 → D司教
G傭兵 → G将軍
↑新しく追加されたキャラクターです。
左上から順に、
@魔女、A徴税官、B魔法使い、C皇帝、D修道院長、
E錬金術師、F航海長、G外交官、H女王、H芸術家
の10キャラです。
上記の通り、日本語版では基本セットのB魔法使いはB奇術師に訳語が変更されたのですが、
少し紛らわしい事に、新たに追加されたキャラクターのB番に、B魔法使いという、
これまでの基本セットのBと同じ訳語が当てられてしまっています。
訳している人が違うので、仕方ないといえば仕方ない事なのですが、
どうにかならなかったのかなとは思いました。
また、日本語版のルールを読んでいたら、建物(カード)を建設する時に、
「同じ名前の建物を複数建設する事はできません」との表記を発見しました!
これまでそんなルールは採用していなかったので、「今まで見落としていたのか!」と思い、
慌ててこれまで使っていた和訳ルールを隅から隅まで読み返してみたのですが、
やはりそのような記述はどこにもありませんでした。
これまで使用していた和訳ルールの記述ミス(書き落とし)なのか、
拡張版が発売された際に加えられたルールなのかは判然としませんが、
(真相をご存知の方がいましたら、ご連絡いただけると嬉しいです)
今後この「同じ名前の建物を複数建設する事はできない」ルールを採用すると、
これまでの「希望の船」でのプレイとは、結構プレイ感が変わってくると思います。
実際にプレイしてみないと何ともいえない部分もありますが、ざっと考えても、
これまでより「魔法使い」(日本語版の表記では「奇術師」)や「建築家」の価値がやや上がり、
(緑色の建物カードが他の色の建物カードより多いというメリットが薄れる為)
「商人」の価値がやや下がるように思います。
また、終盤での建物カードの引き運の要素は、今まで以上に大きくなりそうですね。
もう1点、ゲームの進行役として、前のラウンドで「王様」
(これまでの和訳ルールの訳語では「国王」)だったプレイヤーが各キャラを呼び出しますが、
この役目は新しい「王様」が呼び出された後はすぐに新しい「王様」に引き継がれるそうです。
(このルールもこれまでの和訳ルールには、記載されていませんでした)
ただし、「王様」が暗殺された場合は、最後まで前のラウンドの「王様」が呼び出しを続けるそうです。
「希望の船」では、今後はこの新ルール(?)でプレイする事にしようと思っています。
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