テレストレーション 〜「お絵描き」で伝言ゲーム〜

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です。
私が持っているのは、ご覧のように日本語版です。


手前がホワイトボード状のスケッチブックです。
奥にあるのがお題カード(黄色と青が表裏になっています)と、お題を決めるダイス
お絵描きをする為のホワイトボード対応のマーカー、お絵描き時間(1分)を計る砂時計です。
例として描いた絵のお題は、右が「お母さん」、左は下の”評価”の記事を参照して下さい。


レビュー

各自が引いたお題カードとダイスの目の指示に従って、
ホワイトボードのスケッチブックマジックを使ってお絵描きします。
(絵の中に、数字や文字を書いてはいけません)
お絵描きの制限時間は僅か1分間なので、絵の得意な人でも
あまり細かく描き込んでいる余裕はありません。
簡単な絵で、お題を表現するセンスが問われます。

描き終わったら、各自スケッチブックを閉じて、隣のプレイヤーに回します。
次のプレイヤーは、描かれた絵を見てお題が何なのかを推理して、
スケッチブックの次のページに推理したお題をメモします。
更にスケッチブックを回して、次のプレイヤーは
前のプレイヤーのメモだけを見て、お絵描きします。

こうして、全員のスケッチブックが一周するまで、
お絵描きとお題当てによる「伝言ゲーム」を繰り返し、
より正しくお題を読み取ったり絵で伝えられたプレイヤーが得点を得ます。
1ラウンド終わったら、新しいお題を決めて今度は逆周りでスケッチブックを回し、
3ラウンドプレイして、最も多く得点を獲得した人が優勝です。

4人以上8人までプレイ可能ですが、人数はなるべく多い方が良いと思います。
人数のハードルがやや高いですが、非常に場が盛り上がる、おススメのパーティーゲームです。



リプレイ

使用するスケッチブックは、こんな感じです。

セットに入っているスケッチブックは8冊。
プレイヤーは、一人1冊スケッチブックを持ちます。。
写真左端が表紙です。表紙をめくったトップページ(写真左から2番目)に、
プレイヤー名と、カードとダイスで決めたお題を書き込みます。
4〜5人のときは4ページまで、6〜7人のときは6ページまで、8人プレイなら8ページまで使用します。
トップページの上には、3ラウンド分の得点を書き込む欄もあります。


お題(写真の例では、左から2番目のトップページにメモした「パティシエ」)が決まったら、
1P(写真左から3番目)にお題を表す絵を1分以内で描きます。
絵を描いたら、スケッチブックを閉じて隣のプレイヤーに回し、
渡されたプレイヤーは1Pの絵だけを見て、お題が何なのかを推理します。
お題を推理したら、2P(写真右端)に自分の推理を書き込みます。
写真の例では、推理が「ケーキ屋さん」となって、元のお題から少しよれてしまいました。(笑)

以下は、スケッチブックが1週するまで、こんな調子でお題と絵の伝言ゲームを続けます。
(人数分のスケッチブックが、同時に全員の間を回ります)



では、ほぼ漫画家さんばかり8人でプレイした時に、
一番盛り上がったスケッチブックをご覧に入れましょう。

(若干ルールを変更して、お題カードを各自2枚ずつ持ち、出題者がある程度お題を選択できるようにしてプレイしました)

選ばれたお題は「指輪物語」
勝利点を稼ぐには、簡単なお題の方が絶対に有利なのですが、
こういう少し難しいお題の方が場が盛り上がります(笑)

ちなみに、絵の中に文字や数字を入れるのはNGです。
矢印や音符等の記号は微妙なところですが、「希望の船」でプレイする時は、OKにしています。

さて、トップバッターのプレイヤーは、「指輪物語」と言うことで、
「確か火山に指輪を捨てに行く話だったよな」と、こんな絵を描きました。

次のプレイヤーは、この絵を見て、描かれたお題がいったい何なのかを推理しなければなりません。
次のプレイヤーがこの絵のお題「指輪物語」を当てれば、1番手と2番手のプレイヤーに得点が入ります。
「指輪物語」というお題をを知っていてこの絵を見ればなるほどと思いますが、
ノーヒントでこの絵を見たら何を描いた絵だと思いますか?

実際には、指輪が赤ん坊に見えてしまった事から、お題がよれ始めます(笑)
う〜ん…。 子供を谷に突き落とすんだから・・・。

2番目のプレイヤーは、最初のプレイヤーが描いた絵が示すお題は、
「千尋の谷に突き落とす」かな? と推理しました(笑)

さて、3番目のプレイヤーは、この新たなお題「千尋の谷に突き落とす」
次のプレイヤーに伝える絵を描かねばなりません。

(元の正解が何であるかは、この際は関係ありません)

次のプレイヤーにこのお題「千尋の谷に突き落とす」を伝えるには、どんな絵を描けばいいのでしょう?
お絵かきタイムは僅かに1分です。
何を描くか迷って焦っているうちに、砂時計の砂は無情に落ちていきます…。

3番手のプレイヤーがひねり出したのは、こんな絵でした。
・・・まあ、これなら何とか伝わるかな?
この絵が、4番手のプレイヤーに渡されます。

先程と同様、4番手のプレイヤーはこの絵が何を表しているのか推理しなければなりません。
ここでお題「千尋の谷に突き落とす」を当てれば、3番手と4番手のプレイヤーに得点が入ります。

さあ、回答は?

「変死」でした(笑)
またも、お題がよれてしまいましたね(笑)

5番手のプレイヤーは、この「変死」というお題を伝える絵を描かなくてはなりません。
「変死」って、前の2つのお題に比べると平凡な言葉のようですが、
いざ、見た人にお題が「変死」と思わせる絵を描こうとすると、
どう描けばいいのか、かなり難しいですよね。

さて、どのように「変死」を伝えるのか?

こうなりました。
5番手プレイヤーも、あれこれ迷った末に、2人目の警官を書いている途中で
砂時計が落ちて、時間切れになってしまいました。
6番手のプレイヤーが「変死」を当てれば、5番手と6番手のプレイヤーに得点が入りますが…。

この描きかけになってしまった警官が、驚愕のお題を生む事になります。

「霊能警察」!(笑)
そうです。描きかけの警察官が心霊に見えたのです。
このお題は、最後の答え合わせの時も大受けでした。
しかし、このお題を次の人に伝えるのはかなり無理っぽい気が…(笑)

実はこの難しいお題が回って来たのは、7番手だった私(ゆうめい)のところでした。
「霊能警察」というお題を見て爆笑しているうちに、時間が半分くらい過ぎてしまい…。

念写の絵を描こうとしたのに、時間切れでカメラを描きそびれる始末。
いや、カメラを描いても「霊能警察」を伝えられたとは思いませんが(笑)

的確にお題を伝えるには、単純な絵の上手さだけでなく、
シンプルな絵でお題を表現する漫画的なセンスも重要です。
このゲームをプレイしていると、自分のセンスのなさを思い知らされて愕然としますね(笑)
さあ、「霊能警察」が伝われば、7番手(ゆうめい)と8番手のプレイヤーが得点です。
この絵を見て、お題は何だと思いますか?

最後(8番手)のプレイヤーが推理したお題は・・・。

最後のプレイヤー曰く「中国人にしか見えなかった」そうです(笑)
ちなみに、この最後に書かれたお題が最初のお題と同じであれば、出題者に得点が入ります。
このスケッチブックに関しては、とても「指輪物語」が最初のお題とは思えませんね(笑)

お題はよれによれまくり、このスケッチブックでは誰も得点できませんでしたが、
ゲームは大いに盛り上がったので、それでOKなのです。(笑)


紹介したイラストを見て「なんだ、漫画家と言う割には、雑な絵ばかりじゃないか」
と思われる方もいらっしゃるかも知れませんね(苦笑)
やや言い訳めきますが、僅か1分と言う制限時間と、
細かな表現の効かない太目のペンと言う条件に加え、この例のようにお題が難しいと、
どう描こうか考えているうちにどんどん時間が過ぎてしまうので、
丁寧に絵を描いてる余裕がなくなっちゃうんですよね。
でも、そこが楽しいんですが(笑)

リプレイ参加者の皆さんの名誉の為に申し添えておくと、他のお題の時には、
なるほどと膝を打つようなセンスのある絵や、「これは傑作だねえ」と
皆が感心するような絵を描かれた方も多いんですよ(笑)


さて、全てのスケッチブックについてこのように得点をチェックして勝敗を競うのですが、
勝敗については、やってるうちに割とどうでも良くなってくるんですよね(笑)

これを3ラウンドプレイして勝敗を決めます。(まあ何回プレイしても構わないのですが)
第2ラウンドではスケッチブックを最初と逆回りの順で回し、
第3ラウンドで最初と同じ順で回す事になっているのですが、
折角なので第3ラウンドの前に席替えをするのがおススメです。

4〜8人でプレイ可能ですが、人数は多いほど面白いです。
(もう1セットあれば9人プレイも可能です)
必要なプレイ人数が大目なのでややハードルが高いですが、おススメのゲームなので、
多人数でプレイするチャンスのある時には是非プレイしてみて下さい!



評価

一般的に言って、この手のゲームは絵の上手い下手がスコアに影響しないルールに
なっているとしたものなのですが、このゲームは明らかに絵の得意な人の方が有利です。
しかしながら、絵が不得手だとこのゲームを楽しめないかと言うとそんな事はなく、
むしろ絵の苦手な人が多い方が、場は盛り上がるかも知れません。


 *図1

上の図1を見て下さい、私の友人の描いた絵を再現したものですが、
いったいお題は何だと思いますか?
私(一応漫画家)が図1と同じ構図でお題を描き直せば、下の図2になります。


 *図2

図1図2を見て、お題がピンと来ましたか?
実はお題は「サルも木から落ちる」でした。
(私は、図1を見て散々迷った末に「バンジージャンプ」と誤答してしまいました(笑))

図1のような絵が何を表しているのか推理する楽しさと、
推理を間違えてお題がドンドンよれて行く過程こそが、
このゲームの醍醐味とも言えるのです。


個人的な見解では、お題の推理は一字一句完璧に合っている必要はなく、
例えば「ロッキングチェアー」「ゆり椅子」とか、「母親」「お母さん」といったように、
ほぼ正しく意味が伝わっていれば正解として良いと思っています。



見た人にお題が伝わりさえすれば、お題そのものを正確に描く必要はありません。
下の図3も、私の友人の描いた絵を再現したものです。


 *図3

図3を見て、最初は何を伝えたいのかピンと来なかったのですが、
絵を良くみているうちに、王冠を被ったイカ→王様のイカ→ダイオウイカだ!と気づいた時は、
描き手と心が通じ合った気がしたものです。(笑)
1分と言う時間制限がある上に、使用するマジックも太目で、
細かい描き込みをしている余裕はありませんから、お題を相手に伝えるには、
単なる画力だけでなくこうした漫画的なセンスも大切です。


[お題カード]に書かれたお題の難易度にはかなり差があるので、メンバーにもよりますが、
[お題カード]を1人2枚ずつ持つとか、カードの表裏のどちらかのお題を選べるようにするとかして、
各自の技量に合わせてお題を選択できるようにした方が、ゲームがスムーズに進むと思います。
元ルールだと、お題に知らない言葉を引いてしまった時結構きついですし。

ルールを説明しながらゲームを進めて行けるので、
インスト(ルール説明)にかかる時間は殆どゼロと言って良く、
ゲームに不慣れな人や子供相手でも、導入が非常に容易なのも特筆すべき点です。


強いて「問題点」を挙げるとすれば、あまりにも絵の当てっこが楽しすぎるので、
だんだん勝敗とかどうでも良くなってきて、プレイも勝つ為の戦略を追求するよりも、
場が盛り上がる選択に傾きがちになるという点でしょうか。(それが必ずしも悪いと言っている訳ではなく、
むしろこのゲームの良い所とさえ言えるのですが)
プレイしているうちに「ゲーム」本来の勝敗を争う部分が希薄になっていく事について、
「ゲーム」に対して厳格な人は、少し違和感を覚えるかも知れません。

厳密な意味では「ゲーム」というより「コミュニケーションツール」と呼ぶべきなのかも知れませんが、
どんなメンバーでもすぐに楽しめて、場が大いに盛り上がると言う点で、
パーティーゲームとしては非常に優秀なので、個人的にはかなりおススメの作品です。


前述の通り、絵の得手不得手にかかわらず十分楽しめるゲームなのですが、
折角なので、漫画家さんばかり8人集めてのプレイ(注1)も、
いつか是非やってみたいと思っていますw

私の評価は8点です。


(注1)漫画家さんばかりの8人プレイ:後日実現して、上にあるリプレイ記事を書きました。


攻略のヒント

1.相手の意図をくみ取るべし
 絵を見てお題を推理する場合、概ねぱっと見た時の最初の印象が正解である事が多いのですが、
 このゲームでは、ぱっと見て何の絵なのか分からないなんて事も、しばしば起こります。(笑)
 そういう時は、描き手が何を伝えようとしているのか、その為に何をポイントとして強調しているのか
 を考えてみる事が推理の突破口になります。
 上の図1の例で言えば、キャラクターがバナナを持っているのがポイントで、
 それがサルを表している事に気付けば、正解にたどり着けるかも知れません。
 逆に言えば、イラストを描く時は、なるべく必要な情報を誇張する事と、相手を惑わすような
 余計な情報を描き込むのは避けて、出来るだけシンプルにまとめる事が大切になります。
 もっともこのゲームの場合、ちょっとひねった表現で受け狙いに走るのも悪くはないと思いますが。(笑)



アンケート

評価平均:8.15点

名前 評価 感想
桐原 10 ボードを使わず、エッセンスを濃厚に抽出した「ピクショナリー」って感じ。「お題通りの絵を描く」「何の絵が描かれているかを当てる」というルールですが、遊んでいると「どうしてこの絵が描かれたのかを推理する」「推理を誘導する絵を描く」という方向にシフトしていくのが最高に面白い。絵が上手い人は変にディテールを描いてしまってミスディレクションが起きたりするので、絵が下手な人にもそれなりの利点があります。本質的にはボードゲームの類ではなく、途中からゲームの勝敗とかどうでも良くなってきて「面白い状況を作った奴が勝ち」みたいになりますが、その面白いスケッチブックを全員が必ず一度は持っているわけで、全員が作品に関わっている感覚が出るのが素晴らしいです。遊びとして完成していると思います。
BLACKHEART 10 試される表現力、読解力! とはいえ発想の飛躍さえも楽しい! これは盛り上がる!
りょうえい 10 遊ぶメンツによって面白さの方向性が全く変わる。皆のテンションが高くなる深夜でのプレイがおすすめ。大爆笑できる。絵が下手な人でも楽しめるとの言に納得。ペンがぶっとくて細かく描きこめない為、絵描きであっても小手先の腕が使えないのだ。
百八 9.5 要はお絵かき伝言ゲーム。絵が上手いほうが有利なのは間違い無いんだけど、どんな表現をするかの方がより大事。簡単なお題の方が完走しやすいけど、難しいお題を引いた方が盛り上がる。個人的にはバルバロッサ超えました。10点つけるかどうか本気で迷った。
いとう 勝ち負けを競うゲームではなくいかに面白いことができるかを競うタイプ。このゲームは参加者と人数に結構左右されると思います。4人でプレイしましたが2交代で終わってしまうのでちょっと短いかな、と思いました。多人数のほうが間違いなく楽しいハズ。絵が上手くなくても言いたいことがわかればいいので発想が重要です。
ゆうめい (詳しい感想は「評価」を参照してください) 自分の絵の意図が相手に上手く伝わった時や、相手の意図をしっかりくみ取れた時は本当に嬉しいです。「評価」に絵が上手い方が有利と書きましたが、更に言えば絵の上手い人の隣も明らかに有利になります。勝敗を考えると座り順は結構重要なので、最終ラウンド前は席を入れ替えるのが良いかも知れません。 (まあ、勝敗はあまり気にならなくなるゲームなんですが、目先を変える意味でも席変えはおススメです)
すくーる これは絵が得意な人、不得意な人が適度に混ざり合っていないと成り立たないの でやる機会が限られるゲーム。絵が得意な人だけだと「うん!そうだね!」で終わるし、不得意な人だけだと ゲームが成立しない。面子がそろえば面白いけど、絵が不得意な人はそれでもやっぱり苦痛なのではな いかなと思いました。
らくだ 遊びとしては面白すぎるが、面白いせいで各自得点を付けるのを忘れがちになってしまったり、砂時計スタート兼任がどうしても少し不利だったり、Guess itタイムが「ひとり長考」になってしまったり、大人数だと答えがよく見えなかったりと、ゲームとしては問題が多い。しかし「お題を描く」と「絵が何か考える」という行動を表裏として組み合わせた伝言ゲームスタイルは好きだし評価したい。席順も1つのミソ。
榊しげる お題を描いて当てるだけのゲーム。きちんと「ゲーム」として昇華できているとは言い難く絵の出来不出来をみんなで盛り上がれればそれでいいというパーティゲーム。面白くなるかどうかはプレイヤー次第。
辻善 間違いなく人を選ぶゲームであり、人によっては苦痛に感じる類かも。なによりも、勝敗がどうでもいい事になる系最強のゲーム従来のボードゲーム感からかなり離れたところに楽しさがある。しかしツボにはまると一晩中でも遊んでいられそうな楽しさに特化したクリエイティブ系では独特の強烈な魅力を持った作品。気の合う仲間とのコミュニケーションツールとしては満点!


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