ペロポネソス   〜数々の天災や食糧難に耐えつつ、ペロポネソス半島の文明を発展させよう〜

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箱です。
結構地味なデザインですね(笑)



使用するタイルと、各自が持つマイボードです。
左端に縦に並んでいるが災害タイル、その上にいくつか乗っている丸いチットが災害チットです。
上段に横に並んでいるのが、土地タイル建物タイル
手前にあるのが各自が持って各々の文明の所持する資源や人口を示すマイボード
灰色の丸いチットはお金を示すコインチットです。(時代的に石の硬貨のイメージなんですねw)


レビュー

*古代ギリシャを舞台に、各自の文明を発展させよう

紀元前1000年頃の古代ギリシャのペロポネソス半島を舞台に、それぞれ文明の発展を競うゲームです。
毎ラウンド行われる競りで、建物や土地を獲得して資源と人口を増やしますが、
ゲーム中に必ず訪れる様々な災害と国民への食料の供給で、国土は疲弊していきます。
それらに耐え抜いて、なるべく国土と人口を維持したプレイヤーの勝利です。


*競りで入手したタイルで成長する文明に迫りくる大災害!

各プレイヤーは、ランダムにスタートタイルを取り、そこに書かれた初期資源を受け取ります。
最初のラウンドのプレイ順も、スタートタイルに示唆されています。

各ラウンドの最初に土地か建物が描かれたタイルの競りを行います。
競りは1発入札方式で、1度入札金額を決めたら額面の変更は出来ません。
自分が入札したタイルに、他のプレイヤーがより高額な入札をして来たら、
残っている入札可能なタイルに入札先を変更するか、1金のお金をもらって
そのラウンドの競りからドロップアウトしなければなりません。
最初から競りをパスする(私たちは「しゃがむ」と言っています)事も可能で、
その時は3金のお金がもらえます。
この「しゃがむ」タイミングをどうするかも、ゲームの重要なポイントのひとつです。
次のラウンドは、この競りで入札した金額の多い順にプレイします。

競りの後は、人口や資源やお金の供給を得て、ラウンドの最後に災害チットを2枚めくります。
災害には「衰退」「疫病」「大嵐」「地震」「干ばつ」の5つがあり、それぞれ3枚ずつの災害チットがあります。
裏返しになっているチットを毎ターン2枚ずつめくり、
同じ災害チットの3枚目がめくれると、その災害が発生します。
各々の災害が起こる時期と順番はチットのめくれ運次第ですが、
ゲーム終了までに必ず5つの災害全てが起こります。
災害を予測し、対策しておかないと(していても)、土地や建物や人口を損なう事になってしまいます。


*建物と土地、そして人口をバランスよく成長発展させたプレイヤーの勝利

ゲーム中に3回の供給ラウンドがあり、そのラウンドの最初に国の全人口に行き渡るだけの食料を支払い、
建設費用未払いの建物は対価の資源の支払いを行わなければなりません。
食料や資源が足りなくて支払えなければ、払えなかった分の人口や建物をそれぞれ失います。
ゲーム終盤は立て続けに供給ラウンドが来るので、支払いの準備がなかなか追いつきません。

全てのラウンドの終了した後に、建物と土地の点数に持ち金の点数を加えた「名声点」と、
人口の数を3倍した「人口点」をそれぞれ計算します。
両者のうち数字の少ない方がそのプレイヤーの最終的な「勝利点」になり、
その「勝利点」の最も高いプレイヤーが優勝となります。



リプレイ


大変申し訳ないのですが、リプレイ記事はまだ完成していません。(汗)
写真は、プレイ中のイメージ画像です。



評価

*プレイタイムは中量級でもプレイ感は軽め

2015年のゲームマーケットで、売り子の方の熱意に押されて買ったゲームです(笑)
ドイツの新進気鋭のデザイナーのデビュー作だそうです。
箱絵や中身のビジュアル的にはやや地味ですが、色々新しい事をしようとしている感じは伝わってきます。

ラウンド毎の競りはかなり悩ましいですが、競りのシステム自体はシンプルな1発入札ですし、
競り以外の処理は概ね自動的に起きる事ばかりなので、
実際のプレイタイムは「中量級」位(45分〜1時間位)なのにもかかわらず、
実感的なプレイ感は比較的軽目に感じると思います。


*人口の増加と文明の進歩を同時に達成しつつ、災害にも備える緊迫感!

人口を増加させて得られる「人口点」を減らさないように維持しながら、
土地や建物タイルを獲得して文明の進歩による「名声点」も同時に稼ぐのは中々難しく、
バランス良い戦略が求められます。
終始カツカツな状態なので、襲い来る災害や供給ラウンドへの準備はかなりの緊張感を伴います。
初プレイの時は、5つの災害全てが必ず起きるという認識がなかったので、かなり痛い目に遭いました(笑)


*迫りくる災害と食糧不足への対策で、終盤まで緊迫感の続くゲーム

少し残念なのは、[石材][木材][食料]の3種類の資源の中で、
人口を維持するのに必要な[食料]の重要性が他に比べて極端に高い為、
とるべき戦略がバラティーに乏しくなってしまい、全員が似通った作戦を取る形になってしまい易い点でしょうか。
折角、スタートタイルや土地や建物のタイルがバラティー豊富なのですから、
できればもうちょっとトンガッた戦略(例えば石材集め戦略や木材集め戦略等)にも
勝ち筋があると良かったかなあと思います。

一生懸命作り上げた国が災害や食糧不足でボロボロになっていく様を見るのは辛いものですが、
個人的にはそのあっけなさに笑えてしまいます。まあ、この辺は好みの分かれる所かも知れません。
ともかく、ゲーム終盤まで緊張感の続く、バランスよく良くまとまったゲームだと思います。


 私の評価は7点です。



攻略のヒント

1.災害は5つ全てが必ず来る事を知っておくべし
 5つの大災害はゲーム終了までに全てが必ず起こので、
 ゲーム中はそれらへの対策を充分に意識しなければなりません。
 災害がいつ起きるかは運の要素もかなり大きいのですが、ある程度余裕を持って
 資源を持っておかないと、対応できずに土地や建物を失ってしまう事になってしまいます。
 災害の中でも、[干ばつ][疫病]は特に厳しいので、
 できれば無効化するタイルを獲得しておきたい所です。


2.競りでは[食料]の確保を最優先すべし
 
「評価」にも書きましたが、このゲームでは、登場する3種の資源の中でも、
 ゲーム中3度の供給フェイズで人口を維持するのに必要な
 [食料]の重要性が他に比べて圧倒的に高いです。
 当然ながら、毎ラウンドの競りで獲得するタイルも、
 食料を産み出すものの価値が高いものと思って競りに臨む必要があります。
 食料を産み出すタイルが獲得できそうにない時は、
 思い切ってしゃがむ(競りをパスする)のも、充分考えられる有力な作戦です。


アンケート

評価平均:7.63点
名前 評価 感想
りょうえい 8.5 約束された大災害に備えつつ都市の繁栄を競うゲーム。災害が起こるタイミングが誰にもわからないので皆恐々としながらプレイする事必至なのだが、この一体感が楽しい。また、繁栄と災害対策リソースは競りで取り合うのだが、上記の通り災害がいつ起こるかわからない中で後々の事を読んで駆け引きするのが面白い。
百八 土地建物の点数と人口の点数をバランス良く稼がなければ勝てないのだが、確実に起きる5つの災害を耐えなければならない。加えて3度の配給ラウンドが厳しい。背後に迫ってくる災難を乗り越える為に国を作ってる感じがなかなか新鮮です。タイルを獲得する際の競り要素も好みです。災害の起きる順番に展開が左右され過ぎるので、それを毎回展開が変わって面白いとみるか、運ゲー気味で大味と見るか。災害怖い。
桐原 地震とか嵐とかで建物が壊れるシムシティ的な感じなのかと思ったらペストで簡単に人が死んだり、食料が不足して餓死する人を見殺しにしたり、人の命をもてあそぶのが楽しいというひどいゲームです。ゲーム全体の見通しがよく、大味な感じが好きかな。
ゆうめい (詳しい感想は「評価」を参照してください) 座り順に関係なく、競りに投入した金額で次のラウンドのプレイ順が決まるルールが、地味に良いです。プレイ人数が多いと意外と場所をとるので、広いスペースがないとややキビシイです。


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