ツォルキン   〜マヤ暦が1週するまでに、神々からより多くの恩恵を得る〜

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箱です。
良くある、大き目のサイズです。


ボードはこのようにバラバラになっています。
これを組み立てると…。

↓こうなります。

完成したボードです。
ご覧のように、全ての歯車が、中央のマヤ暦の歯車に連動します。


後列左から、木材タイル,コーンタイル,コーントークン2種,水晶髑髏,資源(木材,石材,黄金)コマ,プレイヤー用のカウンターと労働者コマ
中段列左から、建物タイル(第一世代)の裏表,建物タイル(第二世代)の裏表,記念碑タイルの裏表
前列左から、プレイヤーボード,スタートプレイヤーマーカー,初期財産タイルです。



レビュー

表記上のプレイタイムは90分。考え所の多い、やや重目のゲームです。
インスト(ルール説明)にも結構時間がかかるので、メンバーにもよりますが、
初プレイにはたっぷり2時間以上は見た方が良いと思います。

このゲームの最大の特徴は、ボードを埋め尽くす、巨大な連動式の歯車群です。
ボード中央のマヤ暦の歯車の回転に連動して、他の様々な地域の歯車が回転します。
この、ボード中央の最も大きなマヤ暦の歯車が1週すると、ゲームが終了します。
連動式の歯車群は見た目も楽しい派手なギミックですが、決して単なる賑やかしではなく、
ゲームの進行に重要な役割を果たしています。


様々なルールが複雑に絡み合って成立しているゲームなので、
最初にも書いた通り、ルール説明にはある程度時間がかかるのですが、
根幹となるシステム自体は比較的簡単で、プレイヤーが自分の手番でする事は、
労働者を歯車に配置するか、歯車に配置した労働者を回収してアクションするかの2択のみです。
プレイヤー全員が手番を終えると、マヤ暦の歯車が1目盛り(たまに2目盛り)回転し、
それに連動してボード上の全ての歯車が労働者を乗せたまま回転します。

労働者を歯車に配置するにはコストとしてコーン(食料)が必要で、
配置する労働者の人数や、アクションの強さが増えると、
必要なコストはどんどん増加していきます。

歯車に配置した労働者を回収することで、アクションを行います。
アクションの効果は、様々な資源の収穫や、技術の獲得、スタートプレイヤーの移動、
建物の建築、勝利点の獲得等
、非常に多岐にわたります。
労働者を配置した歯車が回転する毎に、労働者のポジションが先に進み、
それによってより強力なアクションを行う事が可能になって行きます。


労働者を養う為のコーンを収穫したり、資源や技術を獲得したり、労働者を増やしたりしつつ、
資源を使って建物を建てたり、コストの高い記念碑を建てたり、聖地に水晶髑髏を奉納したり、
様々な方法で神殿への信仰心を上げたりする事によって、勝利点を獲得します。


高い戦略性に加え、他プレイヤーとの駆け引きの要素も非常に大きく、
じっくりと濃厚な時間を楽しめる、おススメの本格ゲームです。




リプレイ

大変申し訳ないのですが、リプレイ記事はまだ完成していません。(汗)
プレイ中のイメージは、こんな感じです。↓




評価

いかにも楽しげな歯車のギミックはこのゲームの大きな魅力ですね。
ルールの説明を聞く前に、ボードを見ているだけでプレイしてみたい気持ちにさせてくれます。
レビューにも書いた通りプレイ時間はやや重めで、インスト(ルール説明)にも
結構時間がかかる、どちらかと言うとゲーマー向きの本格ゲームですが、
回転する歯車に労働者を派遣したり回収する動きそのものがかなり楽しいので、
初心者の方でもプレイ感を楽しむ事は十分可能と思います。

労働者を配置するときに支払うコーン(食料)は、イメージ的には他のゲームの「お金」にあたる資源です。
配置コスト以外に、ゲーム中4回労働者にコーンを供給する必要があって(私たちは「給料日」と呼んでいます)、
コーンはゲーム中頻繁に不足して、かつかつな状態になりがちです。
プレイに慣れるまでは、労働者を養うコーンを確保するだけで精一杯になってしまう事もしばしばで、
特に初めてのプレイでは、戦略的に勝利点を獲得する所までは中々手が回らないかも知れません。

スタートプレイヤーは、スタートプレイヤーになるアクションを誰かが行う事によって移動します。
このゲームはプレイ順によって大きく戦略が変わる(コーンが不足している時はプレイ順が
早い方が良く、コーンが潤沢にある時はプレイ順が遅い方が得な場合が多い)ので
スタートプレイヤーの移動のタイミングは戦略上非常に重要なポイントです。
更に、スタートプレイヤーマーカーを獲得したプレイヤーは歯車を2目盛り回す権利を得るのですが、
この権利を発動するかどうかによっても、各プレイヤーの戦術に大きな影響が出る場合があります。
どのタイミングでスタートプレイヤーを取りに行くかは、プレイ中かなり悩ましい問題となります。

他のプレイヤーを直接的に攻撃するような要素はないゲームなのですが、
決してインタラクション(他のプレイヤーとの関わり合い)が弱い訳ではありません。
先程書いた歯車の2目盛り移動もそうですが、前のプレイヤーが労働者をどこに配置するかによっても、
その後のプレイヤーの選択が大きく変わる場合も少なくありません。
プレイの選択が、しばしば他のプレイヤーの行動に強く影響されるので、
むしろインタラクションは強目と言って良く、他のプレイヤーの行動次第で
急遽予定の変更を強いられる場合も少なくありません。
そういったケースでは、ある程度慣れたプレイヤーでも、長考になってしまいがちですね。

色々と考えどころが多く、既に何度か書いた通りプレイタイムはやや長目のゲームではあるのですが、
プレイ中の感覚としては、夢中で労働者を養って派遣,回収しているうちに、
あっという間にマヤ暦の歯車が1週してしまうように感じる
のではないかと思います。

重目のゲームが嫌いでなければ、個人的にはかなりおススメの、熱中できるゲームです。
運の要素は少ないタイプのゲームなので、その辺は好みの別れる所かも知れません。




私の評価は8.5点です。



攻略のヒント

1.初期財産の選択はスタート順を考慮すべし
 スタート時の財産(4つの選択肢の中から2つを選ぶ)をどうするかは中々悩ましいところです。
 選択の根拠は、開始時場に出ている建物や記念碑、自分の好みや志向したい戦術にもよりますが、
 自分のスタート順は中でも非常に重要な要素となります。
 スタート順が早ければ、コーンが少な目でも序盤のやりくりが利くので、
 コーン以外の財産を厚めに獲得しても大丈夫なのですが、スタート順の遅いプレイヤーは
 労働者の派遣にコーンが多目に必要となる(その代わり強力なアクションを選択できる)ので、
 初期財産の選択では、ある程度コーンを多目に獲得しておく方が良いでしょう。


2.スタート時に場に出ている建物(特に畑)を良く見るべし
 最初に場に出ている建物、中でも畑がどれだけ出ているかは、序盤の戦術に大きな影響を与えます。
 畑の確保を序盤の当面の目標にする事は良くありますし、他のプレイヤーがその予定で動く事を想定して、
 自分が場に見えている畑を確保できない前提で行動を選択する事になる場合も多いです。
 また、そのゲームで登場する記念碑も、ゲームを始める前に当然チェックすべきです。
 無理に記念碑を狙うよりも通常の戦術の方が強力な場合も多いので、余り記念碑にこだわりすぎるのも考え物ですが、
 ゲーム展開によっては、記念碑のボーナスを狙いに行く事が有効な戦術になる場合もあり得ます。


さらなるヒントはこちら


アンケート

評価平均:7.58点
名前 評価 感想
百八 8.5 結局、歯車に全ての運命が乗せられている訳ですよ。ゲームデザインだけで言えば満点に近いです。基本的には農業戦略、資源戦略、建物戦略、宗教戦略がある訳ですが、現状は建物特化の戦略が強すぎるという印象。皆がやり込めばバランスが変わるのかどうか、それによって加点したい所です。
ゆうめい 8.5 (詳しい感想は「評価」を参照して下さい) スタートプレイヤーの移動に絡むルール(プレイ順の変動の他に、コーンを獲得し、歯車を2目盛り回す事もできる)が、非常にいい感じのアクセントになっていると思います。特に歯車が2目盛り動くと、(良くも悪くも)凶悪な効果を発揮する場合があります。慣れてくると強い戦術がやや限られて来るので、戦術の幅を広げる意味では、個人的にはスタチュー(記念碑)のボーナスが、全体的にもう少し強力でも良かったような気がします。
りょうえい 8.5 マヤ文明かっこいい。歯車同士が連動して動くゲーム版のギミックにはロマンがある。男子ならワクワク間違いなし。また、ギミックがすごいので一見すると重いゲームに思われるかもしれないが、実際はすべての状況把握が直感的に理解できて遊びやすい。
すくーる これはギミックや見た目が派手でゲームしてる感が非常に良い。勝ち筋も多岐に渡っていてよく考えられていて面白い。難点は時間がかかり過ぎる事で、プレイ中はあっという間だけど実際は2〜3時間 かかってしまいゲーム会等だとツォルキンだけやる覚悟じゃないとキビシイ。
桐原 6 これぞボードゲームという感じ。ギミックが派手というだけでなく、ワーカーを立てる穴なども気分がよくて素晴らしいのですが、それらがよくできているからこそ、麦の置き場所?の不安感がひどいです。(笑)
LINX 6 大きな歯車が見た目にも楽しいゲーム。1プレイが長い上、ようやく慣れてきた所でゲームが終わるので、初めての人にはたっぷり時間があるときに一気にプレイして覚えちゃうことをオススメします。一度慣れてしまえばかなり楽しいハズ!


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