テラフォーマー   〜毎回条件の異なる未知の惑星の開発競争

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箱です。
A5位の大きさで、持ち運びしやすいサイズです。


左上の紙の束が、国家の開発レベルや得点をメモするプレイヤーシートです。
右上は、スタートプレイヤーと現在のラウンドを示すポーン、黒いパワーコマラウンドカードです。
手前のカードは、惑星カード(右がパワーボックスカード、左が宇宙種族カード)です。


レビュー

国産の同人ゲームです。
プレイヤーは、様々な環境と宇宙種族の待ち受ける未知の惑星を開拓します。
全6ラウンドで、自分の国家を発展させ、得点を競います。

ゲームの最初に、22枚の惑星カードのうち8枚を選んで場を作ります。
「ドミニオン」等と同様、使用するカードの組み合わせによって、
毎回場の状況が変わるシステムになっているのですが、
中には新たな得点方法を提供するカードや、勝利条件そのものを変更するようなカードもある為、
組み合わせ次第では、かなり大きくゲーム性が変わったりします。


各プレイヤーは、ラウンドの最初に、労働力にあたる[パワーコマ]を受け取り、
それを消費する事で、様々な行動を行います。
国家の様々なレベルを発展させる事で、国力が増強されます。
「都市レベル」を上げて人口(労働力)を増やせば、それだけ行動力が増えますが、
それに見合うだけ「緑化レベル」を上げて酸素を供給しないと、減点されてしまいます。
全てのアクションに追加パワーを与える「科学レベル」を上げる事も非常に重要です。
「コスモレベル」は、場の状況次第で大きく価値が変動します。

競うのは、国家の「発展度合い」でなく、「得点」である事は結構重要なポイントです。
(勿論、より国家を発展させた方が、得点も稼ぎ易くなるのですが)

「得点」は、「戦争」で勝利することや「カーニバル」を行う事、
また、場に得点を得るカードがあれば、それを起動する事等で獲得できますが、
こうした得点を得る為の行動は、原則として国力の発展には寄与しないので、
各ラウンドでどの程度労働力を振り分けるかが、難しい所です。


コンポーネントはシンプルで、ルールも比較的簡単ですが、
戦略性が高く白熱した駆け引きを楽しめる、完成度の高いゲームです。



リプレイ

大変申し訳ないのですが、リプレイ記事はまだ完成していません。(汗)
↓こちらはプレイ中のイメージ写真です。

プレイヤーシートはA5サイズです。


評価

第一ラウンドのプレイ順を除いて、運の要素はほぼないので、
かなりガチンコで戦略を競うタイプのゲームとなっています。
「ゲームには運の要素があった方が好み」という方も多いですから、
その辺は好みの分かれる所かも知れません。


ゲームのシステム自体はかなりシンプルで、ルールもそれほど難しくはないのですが、
使用するカード毎にルールがあるので、最初に把握しなければならない事は
やや多いと感じる人もいるかも知れません。
カードの組み合わせ次第で場の状況は非常に多様になるので、
繰り返しプレイする事で、様々な戦術を「発見」する事が出来るでしょう。

いかに効率良く国力を発展させるかを考え、徐々に国家が成長していく楽しさに加え、
場の惑星カードや種族カードをめぐっての他のプレイヤーとの駆け引きも、非常に熱いです。

「戦争」に勝利すると、得点を得られるだけでなく、
次のターンのスタートプレイヤーの権利を得る事が出来ます。
いち早く何かをしたい状況では、スタートプレイヤーの権利は決定的に重要になりますが、
場合によっては(相手の出方を見てから動きたい為)むしろ順番が遅いほうが得なケースもあり、
特にゲーム中盤以降は、手番をめぐる駆け引きも大きな意味を持ちます


商業ベースで作れば、恐らくプレイヤー毎にボードを持ってプレイする形になると思われますが、
同人ゲームと言う事で、プレイヤーは紙のプレイヤーシートにペンや鉛筆で得点をメモし、
各種国家レベルのマスを塗りつぶす事で、レベルアップを示す形になっています。
パワーコマやマーカーも含めて、コンポーネントは正直チープと言わざるを得ないのですが、
制作費を節約して頒価を抑える為の同人ゲームならではの工夫として、
個人的にはむしろ好感を持っています。


私の評価は7点です。



攻略のヒント

1.まずは場を確認すべし
 ゲームで使用する8枚の惑星カードが決定したら、まずは場の状況をしっかり確認し、
 勝利条件と選択可能な戦術を吟味し、最善の作戦を検討しなければなりません。
 特に第1ターンのスタートプレイヤーは、初手が非常に重要なポイントになります。
 このゲームは、多くの場合第1ターンのスタートプレイヤーが有利です。
 逆に言えば、スタートプレイヤーはしっかりと場の状況を検討して良い選択をしないと、
 折角のアドバンテージを放棄する事になってしまいます。
 2番手以降のプレイヤーは、他のプレイヤーの選択に応じて対応策を考える必要があります。


2.種族カード戦術は横取りに注意
 「モブ族」「宇宙貿易商」のような、特定の宇宙種族カードの能力を利用した戦術を選ぶ時は、
 折角体制が整ったという時に宇宙種族カードを横取りされてしまうと、どうしようもなくなってしまう場合も多いです。
 横取りした相手にとってその宇宙種族カードが無意味であっても、すぐにそのカードを放棄したり
 他の宇宙種族カードと取り替えてしまえば、横取りされたカードはそのターンの間使用できなくなります。
 宇宙種族カード戦術が脅威であれば、当然相手も横取りのタイミングを狙ってきますので注意が必要です。
 確実に横取りを防ぐには、前のターンで戦争に勝利してスタートプレイヤーの権利を確保し、
 ターン最初の手番で宇宙種族カードをガードする必要があります。
 種族カード戦術を狙う場合は、それだけの手間を費やす価値があるのかも判断しなければなりません。


アンケート

評価平均:7.00点
名前 評価 感想
榊しげる 8(?) ほぼ基本形でしかプレイしていないので暫定の感想。最初に覚える事は多いものの理解しやすく複雑な効果処理もないのですんなりゲームに入っていける。情報はすべてオープンなので初心者へのアドバイスもしやすい。惑星を開拓して発展させていく高揚感は十分体験できる。慣れてくれば1プレイも短く抑えられると思うので様々な組み合わせを試してみたくなる。
百八 惑星で文明育てたり緑化したりしながら、戦争やカーニバルするゲーム。ゲーム性は大雑把に言って、手堅く進行できるドミニオンかなぁ。まだ全てのカードを使ってないので、やり込めばもっと面白くなると思います。
ゆうめい (詳しい感想は「評価」を参照してください) 「モブ族」を取って、酸素不足の−5点を毎ターン支払いつつ、ガンガン人口を増やす作戦が大好きです。(笑)
桐原 手元でパラメータを扱う内政ゲームで、プレイ感覚は「宇宙『ロールスルー・ジ・エイジス』」といった感じ(ダイスは振りませんけど)。一方、宇宙種族の様々な特殊能力は『コズミック・エンカウンター』を彷彿させます。「ルールよりカードを優先する」というのは『MTG』以降よく見かけるフレーズですが、使用するカードによってポイントを得る方法論がここまで変化するゲームは珍しいかもしれません。地味な基本システムに派手な効果を持つカードをとってつけたみたいな印象は否めませんが、その危うい方法でバランスが取れているように見えることや、何よりパワーコマの取り回しに関するルールの統一感は素晴らしいです。そして、よく考えたらランダム性が全くないんですね。よくできてます。


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