ナイアガラ   〜滝の上の急流をカヌーで移動して、宝石を集める〜

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箱です。
やや大きめです。



箱のフタを開けて、ボード(写真右側)を取り出した所です。
コマやカードは、こうしてキッチリ気持ちよく収納できます。
手前右のビニール袋に入っているのが宝石です。
手前左の丸いアクリル板をボードに敷いて、川の水に見立てます
中央に収納されているのが、手札となるパドルカードです。
奥に収納されているのが、舟形のカヌーコマ、雲形の天候マーカー
浮き輪の形のスタートプレイヤーマーカーです。

外箱とフタを組み合わせて土台を作り、その上にボードを乗せ
採掘場の溝に宝石を置き、川の部分の溝に水に見立てたアクリル板を敷いて、
ゲームの舞台を組み立てます。



組み上がった状態は、こんな感じです。↓

右側が川の上流で、カヌーのスタート位置があり、左側が下流で、その奥が滝壺になっています。
(パドルカードは、実際には裏返しに置いて、自分の番の時に表を向けます)


逆の角度から撮った写真です。↓

左奥がスタート位置、右奥が滝壺です。




レビュー

行く手に滝の待ち受ける急流をカヌーで移動しながら、
あちこちに散らばった宝石を集めるゲームです。
急流でカヌーが流されたり折角宝石を集めても他のプレイヤーに盗まれたりと、
無事に岸まで持ち帰るのは簡単ではありません。

写真でも紹介した通り、外箱とボードを組み合わせて組み立てる立体的な川に、
水に見立てたアクリル板を流して、滝と急流を表現した美麗なコンポーネントが、
このゲームの最大のウリと言って良いと思います。(見た目の割に、セットアップにさほど手間は掛かりません)
美しく組み上がったコンポーネントを見ているだけで、ワクワクしてきますね。
水に見立てたアクリル板を川に流すと、分岐の所でひとりでに左右交互に流れていく
ギミックの見事さには、芸術的な感動すら覚えます。

カヌーを移動させるパドルカードは7枚1セットで、1ラウンドに1枚ずつ選んで使用します。
1度使ったカードは、7枚のパドルカード全てを使い切るまで、手札には戻りません。

川は時として怒涛のごとき奔流となり、牙をむく自然の驚異の前に、
プレイヤーはなすすべもなく翻弄されてしまう事も多いです。

戦略的にプレイしようにも、慣れるまでは滝壺に落ちないように
カヌーを操作するだけで手一杯かも知れません。(笑)

2005年のドイツ年間ゲーム大賞を受賞しています。



リプレイ

大変申し訳ないのですが、リプレイ記事はまだ完成していません。(汗)
しかしながら、このゲームはコンポーネントの視覚的な楽しさが大きな売りなので、
このスペースを使って、プレイ中の写真と動画を紹介したいと思います。

プレイ中のイメージはこんな感じです。↓


スタートプレイヤーから順に、全員がカヌーの移動を終えたあと、川が流れます。
全員の出したパドルカードの中で最も小さい数字に、天候による数字を加えた分だけ、
川の水に見立てたアクリル板を上流から流します。


上記の「レビュー」でも触れましたが、川の溝の形の絶妙な調整によって、
アクリル板は下流の分岐の所で左右に交互に流れるようになっています。
このボードのギミックの作りの見事さには、プレイする度にいつも感心させられます。

1枚新しいアクリル板を流す毎に、一番奥の1枚が滝壺に落ちます。
勿論、アクリル板の上にカヌーが乗っていれば、カヌーごと滝壺にボチャンです。



展開によっては、こんな風に一枚の板にあふれるほど大量のカヌーがひしめき合う事も珍しくありません。


上の写真と同じシーンを、別の角度から。
滝壺近くまで流されると落下のピンチです。
分岐を過ぎると、そろそろ滝壺の恐怖がチラついてきます。(笑)



一番奥の宝石を持ち帰るには、危険を賭しても川の流れに乗って、
この位置までカヌーを進めなくてはならないのですが・・・。



急流でカヌーを制御しきれなくなると、こうして滝壺に落下してしまいます。(笑)

自分のカヌーが滝壺に落下してしまうのは、プレイヤーにとって非常にショックな事であり、
言うまでもなく、ゲームの勝敗を争う意味でも大変痛い事なのですが、
カヌーがボードから落下する瞬間は、同時に一番の盛り上がりどころでもあります。(笑)

この楽しさは、写真では伝わりにくいと思いましたので、
「希望の船」のゲーム会で撮影した動画を↓こちらにアップしてみました。

急流と滝壺の恐ろしさが、多少は伝わりましたでしょうか?(笑)



評価

豪華でコミカルなコンポーネントの雰囲気から、一見パーティーゲーム風に思えますが、
プレイしてみると印象よりはるかにタフなゲームである事に気付きます。

パドリングの計画は、数ラウンド先を予見して立てておかないと、
滝壺に落ちる運命から逃れられなくなる事も珍しくありません
天候を替えるパドルカード(どこかで必ずプレイしなくてはなりません)をプレイする時は、
流れに身を任せるしかないのが、かなり重要なポイントです。

加えて、相手の宝石を盗む「盗賊ルール」の存在がかなりシビアで、
ゲームの難易度と戦略性をかなり上げています。
このルールがある為に、他のプレイヤーの動きにも常に神経を使う必要があり、
真剣にプレイするなら、全員のパドルカードのカウンティングは必須です。

・・・と、ハードル高そうな事ばかり書いてしまいましたが、
何といってもコンポーネントの楽しさは、このゲームの大きな魅力です。
カウントとか戦略とか、あまり肩肘貼らずに、
豪華なコンポーネントと、急流に翻弄される楽しさを味わう、
というスタイルでプレイしても、十分楽しめると思います


パドルカードの選択は中々悩ましいですが、選んでしまえば後は比較的テンポ良く
ゲームが進んで行きます。(そういう意味では「軽いゲーム」とも言えますね)


やや残念なのは、いくつかある勝利条件の難易度のバランスがかなり悪いように思える点です。
勝利条件は、@5色全て、A同色4個、B任意の7個 のいずれかの宝石を集める事なのですが、
Aの条件は、奥の滝壺近くの宝石と手前の宝石で集める難易度に天と地ほど差があって、
特に手前の宝石に関しては、@の条件と比べても、4個集める難易度があまりにも低すぎます。
加えてBの条件まであるので、ぶっちゃけ、危険な上にターン数のかかる
滝壺近くの宝石を採りに行くメリットが、極めて乏しい
のです。
(勿論、全員が楽な勝利条件を狙えば、その条件の競争率(≒難易度)が上がる為、
勝利条件の難易度のバランスが悪くても、ゲームバランスそのものが崩れるわけではないのですが)

個人的には、滝壺近くの難易度の高い宝石を採りに行く事にもっと価値を持たせて、
プレイヤーが危険を賭しても滝壺近くの宝石に挑む動機づけをした方が、
ゲームがぐっと盛り上がるのになあと思っています。


具体的なハウスルールのアイディアとして、ひとつは、
勝利条件からAの条項を省いてしまうのが、手っ取り早い方法だと思います。
もうひとつの案として、多少面倒な上にバランスの検証もまだしていないのですが、
Aの勝利条件を、手前の宝石から順に、6個、5個、4個、3個、2個
してみてはどうかと思っています。
その他にも、それぞれの宝石に適当な点数(勿論奥に行くほど高得点とする)をつけて、
合計点がN点以上になった人の勝利
とするような方法もあると思います。

「盗賊ルール」の絡みもあるので、特定の宝石にあまり価値を持たせ過ぎると、
それはそれでゲームバランスを維持するのが難しくなるのかも知れませんが・・・。


私の評価は7点です。



攻略のヒント

1.雲のパドルカードは、安全な時に使っておくべし
 天候を操作する雲のパドルカードを使用する時は、カヌーを移動させる事はできず、
 川の流れに身を任せるしかありません。最初のうち良くありがちな失敗は、
 雲のカードを使いそびれているうちに急流で身動きが取れなくなってしまい、
 危険な状況で選択の余地なく雲カードを使わざるを得なくなるパターンです。
 7ラウンドに1度は必ず雲のカードを使わなければならないのですから、
 雲カードは序盤の安全な時にさっさと使っておいた方が無難です。
 あえて終盤まで雲カードを温存する時は、慎重なプランニングが必要です。

2.下流に行くときは、大きな数字のカードを準備すべし
 (特に川の流れが急になってくると)下流までカヌーを進めた時、
 手札に小さい数字のパドルカードしかない状態では、スタート地点に帰還するどころか、
 滝壺から逃れて生き残る事すら、非常に難しくなってしまいます。
 そんな訳で、下流にカヌーを進めるときは、帰路の準備が必須です。
 下流に行く時は、大きな数字(少なくとも5以上)を手元に残しておくか、
 7ラウンド目が終了して、全ての手札が手元に戻ってくるタイミングで
 帰路につけるように
、パドリングの計画を立てましょう。


更なるヒントはこちら



アンケート

評価平均:7.00点
名前 評価 感想
新撰組680 盤面や駒等の全体の作りとしてのデザインが素晴らしい。川でカヌーが左右に交互に分かれていくギミックのアイデアには溜息が出る。ゲーム性としては、一番奥の宝石が他と同得点なのがやや納得いかず、戦略の建て方も見えづらい気がするが、カヌーが落ちる時は場がかなり盛り上がる。
榊しげる カヌーが流されていく様は楽しい。まだ自身のプレイ感もつかめてないので、なんともいえない。もっと順番や他プレイヤーの残りパドル数やカヌーの位置取りなど戦略的に考えなければならないことも多いはずだが、まだ自分のことで精一杯。白・青・紫の宝石がパッと見で区別がつきにくいのが難点。
ゆうめい (詳しい感想は「評価」を参照してください) プレイ可能人数は3〜5人ですが、プレイ人数は多いほうが面白いと思います。 「盗賊ルール」は、このゲームのキモのひとつですが、狙って成功させるのは結構難しいです。 ゲーム中盤の、急流に翻弄されつつの読み合いは中々楽しいのですが、「盗賊ルール」以外に逆転の要素が殆どない為デッドヒートにはなりにくく、やや拍子抜けな終わり方をする事が多い気もします。(展開によっては1〜2ラウンド後の特定プレイヤーの勝利が逆算で確定してしまう場合もあります)
らくだ 実プレイ前の期待が高かったゲーム。実際のプレイ経験も浅く、コンポーネントもうまく使い切れず(水平面で出来なかった)、まだまだこのゲームの魅力は分かっていないのかも知れない。川の流れは、時として「激流」となる。こうなると、宝石を持ち帰るどころか、生還すらおぼつかないという状況になり、非常にスリリングで、しかも笑える。


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