ごきぶりポーカー  〜嫌われ者の動物の押し付け合い〜

画:もり


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です。
カードゲームなので、結構コンパクトです。


カードです。
「嫌われ者」は全部で8種。
上段左から、ゴキブリネズミカメムシハエ
下段左から、コウモリサソリカエルクモです。

皆いかにも「嫌われ者」という表情をしているのに、どことなく可愛いですよね。(笑)



レビュー

嫌われ者の動物の押し付け合いです。
ホントとウソを駆使した心理戦になります。
判断に自信がなければ、他の人に判断を委ねる事もできます。

(特に多人数プレイでは)誰かを陥れる為に暗黙の協力プレイがなされる事もしばしばあるので、
そうした場の雰囲気を読む事もテクニックのひとつとなります。

誰かが同じ動物のカードを4枚押し付けられた時点か、8種の動物を押し付けられた時点、
または誰かの手札がなくなった時点で、その人の敗北となり、ゲームが終了します。
なので、リーチがかかった(同種のカードの3枚目を押し付けられた)プレイヤーは、
どうしても狙われ易くなりますが、相手の狙いを察知してピンチを切り抜けるのも、
このゲームの醍醐味だったりします。(笑)


リプレイ

ここでは、私(ゆうめい)と、もり氏、LINX氏による3人プレイを紹介します。


早い段階で1人がピンチを迎えて、集中砲火をあびる展開もありますが、
序盤は様子見と言う感じで、穏やかに進む事が多いようです。
同種のカードの2枚目をつけられるプレイヤーが出てきた辺りからが中盤戦で、
いよいよ本格的な心理戦が始まります。


手前が、私(ゆうめい)です。
中盤の入り口で、既に2枚目の「嫌われ者」が4つもくっついて、結構ピンチです。(笑)
この後も、じわじわとカードをつけられて、どんどん追い詰められるゆうめい…。



スタートプレイヤーが自分の手番にできることは1つだけ。
自分の手札のカードを1枚、任意のプレイヤーの前に裏向きに出して、「これは○○です」と言います。
ホントの事を言っても、ウソをついても構いません。

LINX氏がもり氏に対してカードを出して、「これはカエルじゃ」と言います。
態度で読もうと、LINX氏の顔を覗き込むもり氏。「むー、表情が読めん…」(笑)


 カードを出されたプレイヤーには、(3人以上のプレイでは)3つの選択肢があります。
 1.相手の言ってる事がホントだと思ったら、「ホント」と宣言する。
 2.相手の言ってる事がウソだと思ったら、「ウソ」と宣言する。
 まずは、この2つ。
 (2人プレイでは、カードを出されたプレイヤーの選択肢はこの2つだけです)

 1またはの宣言が当たれば、カードを出したプレイヤー(当てられたプレイヤー)にそのカードが付きます。
 外れたら、カードを出されたプレイヤー(外したプレイヤー)にそのカードが付きます。

 カードを押し付けられたプレイヤーが次のスタートプレイヤーとなって、ゲームは続きます。
 手札がなくなるか、同種のカードを4枚押し付けらるか、8種類のカードを押し付けられたプレイヤーの負けで、
 誰かが負けたらゲーム終了です。


もり「むーん、わかった。貴様はウソをついているっ!

LINX氏がカードを表に向けます。

LINX「ホントにカエルじゃ! むやみに人を疑うものではないのお…」(ニヤニヤ)。
もり「しまった〜!!」(笑)

これで、もり氏の所に、カエルのカードが押し付けられました。
もり氏が次のスタートプレイヤーとなって、カードをゆうめいの前に出します。

「これもカエルだよ」

ううう、ホントかウソか当てられる自信がない…。(汗)


 こんな時は、第3の選択肢として、判断を他のプレイヤーに「委ねる」事ができます。
 「委ねる」事に決めたプレイヤーは、カードの中身をこっそり見てから、
 まだカードの内容を知らないプレイヤーの前に裏向きに出します。
 この時、カードの内容を言い換えても構いません。
 (「カエル」と言って出されたカードを「実はハエだった」と言って出しても構わないと言う事です)

 この「委ねる」は、特定のプレイヤーを攻撃したい時に、
 (直接そのプレイヤーにカードを出すと読まれやすいので)狙いをカムフラージュする目的で、
 暗黙の協力プレイとして利用される事も良くあります。
 皆が空気を読んで狙いが見事に成功すると、場に連帯感が生まれたりします。(笑)


さて、「委ねる」を選択することにした、ゆうめい
カードの中身をこっそり見てから、そのカードをLINX氏の前に出し、
「ホントにカエルだった」と宣言しました。

 今回は3人プレイなので、LINX氏はここで当てるしかないですが、
 多人数プレイでは、カードの内容を知らないプレイヤーがいる限り
 次々と他のプレイヤーに委ねて行く事も可能です。
 プレイヤーの間をカードがぐるぐる回る事も珍しくありません。

LINXカエルというのはウソでしょう?」
ゆうめい「ば、ばれたか…(泣)」


カードの正体はクモでした。
こうして、4枚目のクモを押し付けられたゆうめいの負けで、ゲームは終了です。



評価

全く個人的な見解で申し訳ないのですが、そもそも論として、
私は「1人の敗者を作る事を目指すルールのゲーム」が基本的にあまり好きではありません
「優勝(1人の勝者になること)を目指す」ゲームと違って、「1人の敗者を作る事を目指す」システムのゲームでは、
当然ながら、プレイの基本的な目標が「勝利する事」でなく「最下位にならない事」になってしまいます。
私はそれだとイマイチ熱くなれない方なんですよ…。
また、「優勝を目指す」ゲームにおいて、ゲームの目的(優勝)を達成する為に最善を尽くす過程で
自分が勝つために他者と協力したり上位者を妨害したりするのは、違和感なく熱くなれるのですが、
「1人の敗者を作る事を目指す」システムのゲームでゲームの目的を達成しようとすると、
不利な状況のプレイヤーをを陥れるために他者と協力するプレイになってしまいがちで、
個人的にはそういう所も、どうも肌に合わないと感じているのですが…。

この「ごきぶりポーカー」は、まさにその「一人の敗者を作る事を目指すルールのゲーム」なのにもかかわらず、
自分としてはかなり例外的に、非常に楽しんでプレイする事ができました。


何が良かったのかと言われれば、
テーマとカードデザインが秀逸な点だと思います。

テーマが、「嫌われ者の動物の押し付け合い」という事で、
カードを他人に押し付けるプレイも違和感がないですし、
「金儲け」とか「裏切り」とかのテーマより、ギスギスしにくい気がします。

カードには嫌われ者の動物が描かれているのですが、
「嫌われ者」のイラストが妙に可愛くて、集まって来ても嫌な気持ちになりません。
むしろ、カードが自分の所に集まると楽しくなってくるのは私だけでしょうか?(笑)
カード1枚1枚のイラストの絵が、全部微妙に違っているのも芸の細かい所で、
ついつい集めたくなってしまいますね。(笑)

「1人の敗者を作る事を目指すルールのゲーム」では、「勝つ喜び」があまりないので、
「負ける楽しみ」を演出する事が非常に重要な要素なんだなあと思いました。

価格も比較的安いですし、
ルールが簡単で場が盛り上がる上、様々な人数に対応できるので、
パーティーゲームとしては非常に優秀だと思います。

私は参加していなかったのですが、6人プレイで、
全員が真剣勝負で長考を繰り返しながらプレイした為、
決着がつくのに2時間くらいかかった上に、
終った後全員がヘトヘトになっているのを目撃したことがあるのですが、
正直言って、そういう風にプレイするゲームではないなと思いました。(苦笑)


私の評価は6点です。
(このタイプのルールのゲームとしては、個人的には例外的に高い評価です)



攻略のヒント

1.笑顔でプレイすべし
 1プレイ毎に笑い(時には爆笑)が起こるような、楽しい雰囲気で遊べるように
 デザインされているゲームだと思います。
 勝ち負けにあまりこだわらず、心理戦を楽しむ気持ちでプレイするのが良いでしょう。
 不利になってくると集中砲火を食らいがちですが、そういう状況すらも笑って楽しみましょう。

2.ピンチをしのぐ為に
 例えばゴキブリを3枚押し付けられた状態で、「ゴキブリ」と言ってカードを出された時、
 「ウソ」と言って外すと負けになってしまう為、原則として「委ねる」か「ホント」と言う方が無難です。
 (「委ねる」プレイも次の相手に当てられる危険を伴いますから、「ホント」と言うのが一応最も安全です)
 同様に、「ゴキブリ」以外の動物を言われてカードを出された時に「ホント」と言うのも、
 それがゴキブリなら負けてしまうリスクを伴う為、安全を考えれば「ウソ」と言っておくが無難です。
 とはいえ、当然ながら、相手もそれを狙って他の動物を押し付けようとして来ますので、
 安全を追っているうちにどんどんカードを押し付けられて、2種類以上の動物でリーチがかかってしまうと、
 いよいよしのぎ切るのが難しくなってしまいます。
 ピンチを広げすぎない為には、なるべく相手の意図を読んで、時にはリスクを伴う対応をする必要もあるでしょう。
 (多人数プレイで)場をぐるぐる回ったカードが最後にピンチのプレイヤーの前に来た時などは、
 「暗黙の協力プレイ」がなされている可能性が大なので、ピンチのプレイヤーにとっては正念場です。


更なるヒントはこちら


アンケート

評価平均:7.75点

名前 評価 感想
PON 10 手軽に簡単で、どこでも遊べるのはいいです。人数多い方が読みが難しくなって楽しめますね。基本心理戦で、暗黙の了解的に協力プレイ出来る所も楽しいです。割と個人の性格が出やすいゲームで、友人間でやると友人の知らない側面も垣間見えて新しい発見があるかも。(6人プレイ)
もり 連帯感が生まれると共に人間不信におちいる。大人はこわい。
榊しげる 一人の敗者を作るシステムがそもそも好きではないが、パーティゲームとしては面白い。勝敗よりも、空気を読めるかどうかがプレイのポイントだと思う。
西野沢 自分が勝つのが目的ではなく、人を陥れるのが目的なので、そういうのが苦手な自分は疑心暗鬼が存分に味わえました。これ強い人は嫌われるでしょうね。ゴキブリのように。
こま 和気藹々とやると面白いけど、これで真剣勝負はしたくないような気がしました(笑)
ひらやん やっているうちに、何となく場の空気を読みつつ、自分が不利にならないように進めていく感じ。同じカードが3つ(リーチ)になった途端、急に焦り出しました。(笑)
らくだ とてもシンプルで面白いのだが、ちょっとした「敗北の予兆」が、あっという間に膨らんでしまうため、逆転が難しい。
ゆうめい (詳しい感想は本文を参照して下さい) 「委ねる」がこのゲームの肝なので、ある程度人数はいた方が面白いと思います。多分4〜6人位がベストなのかな?


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