エンデバー 〜欧州列強による、植民地支配の争い〜
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箱です。
結構でかいサイズ(「ドミニオン」や「ナイアガラ」の箱と同じ位)です。
地図の詰まったカバンをイメージしたデザインですね。
メインのゲームボードです。
中央右が、最初の拠点となるヨーロッパ地中海地域で、
その周囲りに植民地候補の地域(極東,インド,北アメリカ,カリブ海,南アメリカ,アフリカ)が描かれています。
丸い形の空白部分に各種トークンをランダムに配置して、
四角い形の空白部分にその地域のカードを配置します。
(配置した様子は、リプレイ記事の写真を参照して下さい)
左上のボードが、各プレイヤーが1枚ずつ持ち得点や国力を表す、プレイヤーボードです。
その下の丸いチットが、国力やアクションを強化する各種トークン(左の白黒模様は裏面)です。
右上のコマは、黄色い王冠の形をしたものがスタートプレイヤーマーカー、
5色のコマは、四角いキューブが各種の国力を表すステータスマーカーで、
丸い形をしたものが労働力を表す人口マーカーです。
その下にある様々なタイルが、各種の建物とその効果を表す建物タイル、
更に下にある種々のカードが、占領地から国力を得る資産カードです。
レビュー
欧州列強が、植民地支配を拡大して、帝国主義の成果を争うゲームです。
恐らく多くの日本人にとって、「列強の植民地支配競争の時代」というのは、
ゲームのテーマとしてあまりピンと来ないというか、親近感がわかないのではないかと
(何しろ大学で丁度この時代の東アジア史を専攻していた僕でもそうなのですから)思うのですが、
ヨーロッパのボードゲームでは結構頻繁にモチーフにされているテーマです。
やはり、あちらの人にとって植民地支配の時代というのは、
ノスタルジーを刺激される栄光の時代なんだろうなあと思ったりします。(笑)
植民地の侵略は勿論の事、奴隷の労働力を利用したり、ライバルに戦争を仕掛けたり等、
史実に基づいて(?)悪辣にやらないと、覇権を得る事は出来ません。(笑)
ゲームは、7ターンプレイして、植民地支配による得点を争います。
1ターンは「建設」、「成長」、「給料」、「アクション」の4つのフェイズ(段階)で構成されています。
「建設」、「成長」、「給料」は言わばそのターンのアクションの準備段階で、
ゲームのメインとなるのは、4つ目の「アクション」フェイズです。
「建設」で建物を建築して行動の選択肢を増やし、
「成長」で行動力の基礎となる人口を増加させ、
「給料」で人口を労働力に替えます。
「アクション」では、外洋の植民地への出航、発見された植民地の占領、
ライバルへの攻撃、国力を上げるカードの獲得したりします。
序盤は行動力が少ないのですが、国力のアップに伴って、加速度的に行動力が増えていきます。
行動の選択肢は非常に豊富で、他のプレイヤーの動向をそ考えつつ最適な選択を選ぶのは、中々悩ましいです。
ゲーム用語的に言えば、ワーカープレイスメントと陣取りがゲームのメインとなります。
いわゆる「本格ゲーム」の要素をコンパクトにまとめたゲームで、
「本格ゲーム」の入門編といった趣があります。
リプレイ
大変申し訳ないのですが、リプレイ記事はまだ出来ていません。(汗)
↓こちらは、プレイ中のイメージ写真です。
評価
なるべく効率良く自国を発展させたいのですが、
その為にはボード上にランダムに配置されたトークンの獲得が非常に重要です。
このトークンの配置によって、陣取りに複雑な思惑が絡み合う事になります。
次のターンまでに国力を上げる為に、どうしてもあのトークンが欲しい、
でも陣取りに勝つにはあちらを先に占領したい、といったジレンマに加え、
他のプレイヤーの動向も読まなくてはならず、アクションの選択は非常に悩ましいです。
個人的には、この部分がこのゲームの面白さの最大のポイントだと思っています。
得点を得る方法が多岐にわたる為、最初に把握すべきルールは結構多目ですが、
個人ボードやアイコン等によってかなり把握しやすくなっていますので、
実際にプレイしてみると、意外とプレイ感は軽いです。
とはいえ、行動の選択肢がかなり多いので、その中で何をするのが最適なのかは、
一度のプレイでは簡単に見えてこないかも知れません。
国力が上がる毎に、加速度的に出来る事が増えて行くので、
序中盤で体勢の良くなったプレイヤーが有利になりがちなのですが、
相手を攻撃することも可能なので、あまり独走すると集中して狙われてしまうかも知れません。
但し、攻撃可能と言っても、攻撃する側は自らも(人口の)出費を強いられる為、
気楽に攻撃ばかりすると言う訳には行きません。
攻撃のタイミングと攻撃すべきポイントの選択は非常に重要で、かつ悩ましい所です。
序中盤で体勢の良くなったプレイヤーが有利という事は、
逆に言えば、出遅れてしまうと逆転はかなり難しいという事でもあります。
運の要素は多くないので、終盤大逆転と言ったケースはあまりなく、
そういう意味では中々シビアなゲームと言えます。
繰り返し遊ぶ事で面白さが分かって来るタイプのゲームなのですが、
その意味で、セットアップがちょっと面倒なのはやや難点かなと思います。
私の評価は7点です
攻略のヒント
1.奴隷の労働力の利用を遠慮するべからず
現代の日本人の感覚では、奴隷の労働力を使う事には心理的な抵抗のある人もいるかも知れませんよね(?)。
しかしながら、実際の所このゲームにおいて奴隷の労働力は、序中盤のブーストとして非常に有用です。
使い捨てた奴隷カードは-1点とか、「奴隷制度の廃止」等、奴隷を使う事で国家の栄光に傷が付く事も
申し訳程度にルール化されていますが、「奴隷制度の廃止」は実行されない場合も多いですし、
いずれにせよこれらのデメリットは、序盤の国力アップの大きなメリットとは比較にもなりません。
レビューにも書いたように、史実に基づいて悪辣にやらないと、植民地競争に勝つのは難しいのです。(笑)
ゲームの中では、帝国主義の権化となって、奴隷労働者をバシバシ鞭打ちましょう。(笑)
2.国力強化はバランス良く
このゲームで国力を上げる際には、原則として各パラメーターをバランス良くアップして行く事が重要で、
なにか1つのパラメーターだけを集中的に上げるやり方では、国家運営が中々上手く回って行きません。
特に成長レベル(文化)と給料レベル(財政)は車の両輪のような関係になっていて、
どちらか一方が高いだけでは国家は全く機能しません。
成長レベルと給料レベルが順調に上がって労働人口が増え、アクションを行う行動力が増加すれば、
それを生かす強力な建物を建てる為に、建築レベル(産業)の成長も欠かせませんし、
それらのパラメーター全てを強化するには、カードの上限枚数(政治)を上げて国力を補強する必要があります。
このように、特にゲーム中盤は、各パラメーターをなるべくバランス良く強化する事が、
効率良い国家成長戦略に直結するのです。
さらなるヒントはこちら
アンケート
評価平均:7.40点
名前 評価 感想 桐原 8 特殊能力を得ながらパラメータをちまちま上げてレベルアップし国家を運営する、みたいな国家育成ゲームに感じました。序盤は地中海の覇権を握るのが手っ取り早いのですが、すると植民地開拓が遅れ、後半追いつかれます。しかし外洋探索に明け暮れるとパラメータがなかなか上がらず、地中海組に突き放されてしまう可能性があります。そのへんのバランス感が2回のプレイでは全然わかりません。何となく「正解」のありそうなゲームに見えるのですが、かなりやりこまないとそれは見えてこないのではないかと思います。「人材」という表現が『プエルトリコ』に似ています。おそらく、『エンデバー』で植民地を得た少し後の時代、カリブ海では『プエルトリコ』が行われるという世界観なんだと思います。(笑) 榊しげる 8 まだやっとルールを覚えたレベルなので、プレイングも手探り状態。自分の版図が拡がり、出来る事が加速度的に増えていくのは楽しい。運要素は少ないと思うので、同レベルのプレイヤーでじっくりやり込めば面白そう。 那緒 7 ヨーロッパから貿易や勢力を拡大するゲーム。最初は宇宙でなんかするゲームだと思っていたw 建物を建設し、その効果を使い各地を占領し自分の能力を上げていく。最初は少ししか行動できないが、能力が上がるにつれ飛躍的に行動できるようになるのがとても面白い。ダントツで最下位だったのでリベンジしたいw 百八 7 何となくプエルトリコを思い出しつつプレイ。マップが広大な割に前半の展開が非常に遅いので、初プレイ時は不安になった。初プレイが終わった時点で「そういうゲームだったんだ」ってなって、2回目以降から面白くなる系。意外とプレイ感軽くて好み。 ゆうめい 7 (詳しい感想は「評価」を参照して下さい) 4人以下でプレイするとゲーム終了時でも空白地帯が結構多くなるので、マップ全体を使えるという意味で、プレイ人数は5人がベストと思います。
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