ビブリオス   〜ドラフトと競りで得点ダイスを奪い合う〜

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画:ゆうめい
例によって箱絵のパロディーです。(笑)



箱です。
最初開け方が分からなくて少し焦りました。(笑)
真ん中を押し出すように開けるのかと思ったら、
フタが、箱の右側面の部分で磁石で固定されるようになっていて、
そこを外してハードカバーの本を開くように開けるのが正解でした。



左上が、ボード得点ダイスで、右上がカードです。
手前がカードの表面で、左から、分野カード教会カード金カードです。


レビュー

前半戦で、ドラフト(山札を相互に分配して互いの手札を作る)で全員の手札と競り用の山を作り、
後半戦では競り山のカードを1枚ずつ競り合って、最終的な手札を完成させます。
最後に、手札の得点で5色のダイスを取り合い、獲得したダイスの勝利点を競います。

ドラフトや競り等、ゲームの様々な要素を織り込んだルールで、説明を聞くと複雑な感じがしますが、
実際にプレイしてみると、さほど難しくはありません。


カードは、5色のダイスを獲得する為の各色毎の得点を示す分野カードと、
競りを行う為のお金カードと、ダイスの勝利点を増減する教会カードがあります。

前半の「寄進フェイズ」では、ドラフトで各自の手札と競り用の山札を作ります。
各プレイヤーは、自分の番に山札を1枚ずつめくって、人数分+1枚のカードを、
自分の手札、他プレイヤーの手札、競り用の山に振り分けます。
1度振り分けたら、その後もっと良いカードがめくれても、変更する事は出来ません。

後半の「競りフェイズ」で、競り山のカードを、手持ちのお金やカードを使って競り合います。

競りが終了したら、5色のダイス毎にその色の分野の得点を競い、
最もその色の得点が高かったプレイヤーが、その色のダイスを獲得します。
最終的に、ダイスの示す勝利点の合計の最も高かったプレイヤーが優勝です。


運と戦略のバランスも良く、他のプレイヤーとの読み合いと駆け引きが楽しいゲームです。



リプレイ

大変申し訳ないのですが、リプレイ記事はまだ完成していません。(汗)
プレイ中のイメージは、こんな感じです。↓




評価

ルールブックによると、「中世のキリスト教の修道院長になって
他の修道院長と蔵書を競い、司教の座を争うゲーム」・・・という事なのですが、
正直プレイ感とテーマはあまりリンクしている感じはしません。(笑)
しかしながら、ゲーム自体は非常に良くできていると思います。

優勝する為には、限られたリソースを最大限に効率良く活用する必要があります。
部分的に公開された情報と相手の行動から、相手の手札状況を推理して、こちらの取るべき戦略を判断します。
どの色のダイスを狙うべきか、その為にはどのくらい得点カードを集めれば良いのか、
競り山にどのカードが残っているか、ダイスの得点を増減する教会カードにどのくらいお金を使うべきか、
虚々実々の駆け引きと、読み合いが非常に楽しいです。


プレイ可能人数は2〜4人ですが、4人プレイだとプレイ感がかなり大味になってしまうので、
個人的にはこのゲームは2人か3人でプレイするのが良いと思います。
2人プレイでも十分に楽しめるのは、このゲームの大きな特徴です。
4人プレイのみを数度行っただけで「このゲームはつまらない」と思っている方には、
是非とも2〜3人プレイを試してみて頂きたいです。

2人プレイの場合、大雑把に言って、ダイスの取り合いで3勝を狙う側と、
2勝で諦めるかわりにダイスの目(勝利点)を操作して勝とうとする側に分かれます。
(お互いの思惑がぶつかって、その通りにならない場合も多々ありますが)
3人プレイの場合、ダイスで3勝は難しいので、2勝しつつダイスの操作でも上手い事やる必要があります。
4人プレイの場合は、かなり運ゲー感が強くなってしまいますが、
獲得ダイス1個で勝つのはまず無理なので、ともかく2勝する事を目指します。


最終的な勝利点を得る為のシステムがやや複雑なので、
若干インスト(ルール説明)が面倒に感じるかも知れませんが、
ドラフト(分配)、競り、情報収集と判断、駆け引き等、
ゲームの様々な要素を楽しめる、個人的には非常にオススメのゲームです。

また、海外のゲームはとかく場所を取るものが多い中で、
このゲームは珍しくほとんど場所を取らない点も、個人的には高評価です。

私の評価は(2〜3人プレイ限定で)9点です。



攻略のヒント

1.各分野の過半数を確認すべし
 まずは、5色のダイスを獲得する為の各分野(色)の得点の過半数を把握しましょう。
 禁書()、手稿(オレンジ)、聖書()の得点の総数は11点で、過半数は6点
 顔料()、修道士()の得点の総数は25点で、過半数は13点です。
 ある分野(色)の過半数の得点を集めてゲーム終了まで保持すれば、
 他に情報が無くても、その分野の得点ダイスを確実に獲得する事が可能です。
 とはいえ、過半数の点数を集めなければ絶対にダイスが得られないという訳ではなく、
 むしろあまりひとつの色の過半数の保持にこだわりすぎると、かえってゲーム全体での勝利が
 遠のく場合も少なくないのですが、とりあえず基本知識として上記の数字は押さえておきましょう。

 言うまでもない事ですが、3人以上のプレイでは、得点カードが複数のプレイヤーに
 分散した事を情報として知っていれば、勝利を確定するのに必要な得点もその都度変化します。
 単純な例を挙げると、ABCの3人でプレイしていて、BとCが赤の得点を2点ずつ
 持っている事が分かっていれば、Aから見て赤で確実に勝利する為に必要な得点は5点で、
 Bから見てAに勝利するにはあと3点(計5点)で良く、Cに勝利するにはあと4点(計6点)必要です。


2.競り山の内容を記憶すべし
 ゲーム後半の「競りフェイズ」では、自分が競り山に送ったカードの内容を
 覚えておいた方が断然作戦が立て易い事は、言うまでもありません。
 とは言え、競り山に送ったカード全てを完全に記憶する必要はありません。
 記憶しておくべき重要な情報は、教会カードの枚数と内容及び、
 自分が狙っている分野(色)の
得点カードがどのくらい埋まっているかです。
 少くとも、これらの情報だけは、しっかりと覚えておくようにしましょう。


さらなるヒントはこちら


アンケート

評価平均:8.28点
名前 評価 感想
すくーる 10 ルールもシンプルでわかりやすい。山札がなくなった後の競りシステムが、また奥深さとかけ引きの面白さを醸し出してくれます。少人数でしかプレイできませんが、面白さを維持する必要最低限の措置と思って目を瞑りましょう。
いとう 自分がどの色を狙っていくのか、相手が何を狙っているのかの駆け引きが楽しいです。最後の競りで上手く自分が埋めたカードを取れると嬉しい。わりと1プレイも短めなので何度もやりたくなるゲーム。
榊しげる ルールは聞いただけでは若干ピンとこないが、やってみると簡単に理解できるレベル。運の要素が程好く1プレイも短いので繰り返し遊べる。他のプレイヤーのターンでもプレイに参加できるのでダウンタイムが少ないのも高評価。少ない道具立てできちんと競りと駆け引きを成立させている良ゲームだと思う。
ゆうめい (詳しい感想は「評価」を参照してください) ダイスの取り合いに勝利するには、多少ハッタリをかけて、相手を諦めさせることも大切です。(笑) 逆に、特定の色のダイスの獲得を諦めても、諦めた事をなるべく相手に悟られないようにする事も肝要です。
LINX プレイ中何度も小さなジレンマに苛まれることになるのが楽しい。運の要素が強く慣れるとプレイ時間も短いため2〜3回ほどわいわいプレイしたい方にオススメ。
もりもりぎゅるエロス 2人プレイしかやったことがないのですが、基本、相手が何枚その色のカードを持ってるのか読んで、自分が持つのはできるだけ最小限の枚数にしたいところです。しかし、大体自分が集めている色は、2人プレイだと相手にバレバレなのでどんでん返しのないまま終局を迎えるよりは、わざとせり落とさなかったり、サイコロの目を下げたりして、ある色を集めていないように見せかけておいて、相手を油断させ、ごく少ない点数で勝つのが醍醐味だと(勝手に)思っています。
百八 少ないコンポーネントで良くまとまった競りゲーなんだけど、これが競りの面白さかっていうと、うーん。システムの妙を楽しむゲームだと思います。

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