バルバロッサ 〜怪しげな粘土細工の正体を当て合う〜

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画:らくだ
*)「希望の船」のゲーム会で「バルバロッサ」をプレイ中、ゆうめいの出題「マリモ」に対して、
らくだ氏が自信満々に(カースを使用してまで)「キ○タマ」と誤答して、
皆が大ウケしたエピソードをイラスト化したものです。
「ヒントを聞いているうちにキン○マだと確信を持った」(らくだ氏)との事です。(笑)



です。



コンポーネントです。
得点ボード、プレイ用ボード、ダイス、各種マーカーに加え、
このゲームの最大の特徴である、4色の粘土が入っています。
誰かが正解を出すと、写真のように
矢印型のマーカーをその粘土細工に突き刺します


興味のある方は、写真の粘土細工がそれぞれ何なのか考えてみて下さい。
但し、の右側は、この日その場にいた人でないと答えられないかも知れません。
(正解はこの頁の一番下


レビュー

1988年のドイツ年間ゲーム大賞を受賞しています。

これは、「希望の船」でプレイしているゲームの中では、
かなり古い時代のゲームと言う事になります。
一般的に古典的なゲームと言うのは、今日的な目で見ると
システムが洗練されていないと感じられるものも少なくないのですが、
このゲームは最新のゲームと比べても全く見劣りしないどころか、
アイディアに斬新な輝きさえ感じられる稀有なゲームと思います。

このゲームのルールを一言で言うと、
全員で粘土細工を作って、それが何かを当て合うゲームです。


最初にそう聞いたときは、「アイディア自体は面白そうだけど、
それでちゃんとしたゲームになるのかな?」と疑問に思ったものですが、
実際にプレイしてみて、その絶妙のバランスに本当に感動しました

ちなみに、このゲームのプレイするのには、手先が不器用な方でも全く問題ありませんし、
造形の技術に長けた、例えば海洋堂のカリスマ原型師のような人が
有利と言う事もありません。(笑)

粘土細工は、あまり簡単に当てられても良くない反面、
誰にも全然当てられないように難しく作るのも良くないように、
絶妙のバランスで得点のルールが作られていますので、
適度にゆる〜〜く作るのが重要なポイントになるのです。

プレイヤーは自分の順番に、当てようとする粘土細工の出題者(製作者)に対して
ヒントを得る為の質問をしたり、正解の一文字をこっそり聞いたりする事が出来ます。
じっくり質問をして、確信を持ってから当てに行ければ良いのですが、
全員が1ゲームに3回まで「カース」という割り込みの権利を持っていて、
他人の順番の途中でも、どんどん割り込んできますので、
プレイには常に緊張感があって、ぼさっとしている余裕はありません。
あなたは他のプレイヤーに先んじて、正解を当てる事ができるでしょうか?

ガチガチの勝負よりもゲームの楽しさやプレイ中の会話を楽しみたい方には、
特にオススメのゲームです。



リプレイ



評価

「希望の船」の最初のゲーム大会の時に、参加者のこま氏が、
都内のゲームショップで購入して持ち込んでくれたゲームです。

ルールを読んでも、面白いのかどうか良く分からないまま
とにかくプレイしてみたのですが、全員があっという間に夢中になりました

正解がひらめいた時のスッキリ感は癖になりますし、
予想もしていなかった珍答誤答が飛び出した時の面白さも特筆もので、
プレイ中いつも場が盛り上がり、笑いが絶えません。


なお、ルール上のプレイ可能人数は3〜4人となっていますが、
審判役(「希望の船」のゲーム会では「神」と呼んでいます)を含めた
5人以上でのプレイを強くお勧めします。

「神」は、お題の正当性やゲームの公平性を保つ為と、
微妙な質問に対する答えの相談役を受け持ちます。

「神」はゲームに参加できず退屈なのではないかと言う心配なら一切無用で、
むしろ抱腹絶倒の珍答誤答をひとりだけ全部見ることが出来て、
プレイヤー以上に楽しめる事うけあいです!

本来のルールでは、どんなに楽しい誤答も、ゲーム終了まで出題者しか見る事が出来ません。
「神」がいれば、楽しい珍答誤答をいつでも出題者と「神」で共有できるので、
ゲーム自体も絶対に盛り上がりますよ!


「希望の船」参加者方にも非常にファンの多い、個人的にもオススメのゲームです。
面白さについて半信半疑の方は、是非1度プレイしてみて下さい。


強いて難点を挙げるとすると、当てっこがあまりに楽しすぎて、
勝負を争っている感覚がやや希薄になりがちな事
(まあ、これは欠点と言うよりも、むしろこのゲームの長所とも言える点なのですが)と、
プレイ開始前のお題作りにやや時間がかかる場合がある事でしょうか。

個人的にほぼ満点に近い評価なのですが、
その辺を少し差し引いて、私の評価は9.5点にしておきます。


ちなみに、ルールブックででは、質問に対する出題者の答えかたは、
1.はい、そうです。
2.大体そうです。
3.正しい答えはありません。
4.いいえ、違います。

の4つのみとされていますが、「希望の船」のゲーム会では
5.わかりません。
という答えも認めています。

これは実際のプレイで、あるプレイヤーが「キティーちゃん」というお題を出した時に、
「家族や兄弟はいますか?」という質問に対して、
答えようが無くなった事から生まれたルールです。

このケースでは、「家族や兄弟」について、
恐らく公式になんらかの設定がある事は間違いなく、
1か4が正解になるはずなのですが、出題者はそれを知らない訳です。
この場合出題者は、1〜4の中から答えを選ぶ事が出来ません。
個人的にも、5.わかりません。 は必要な答えだと思います。


攻略のヒント

1.日々お題を考えておくべし
 ゲームが始まって急にお題を考えろと言われても、時間がかかってしまう方も多いと思います。
 このゲームを一度プレイすれば、言われなくてもそうなる人が多いのですが、
 日々お題を考えておいて良いアイディアが浮かんだら、
 メモでもしておくようにする
といざと言う時困らなくて良いかも知れません。(笑)
 かく言う私も、本業で練り消しゴムを使っている時など、ふと気がつくと仕事そっちのけで
 お題のアイディアを作っている事があったりします。(苦笑)

2.カースとキューブは惜しむべからず
 このゲームは、先に当てた方が高得点を得られるシステムですから、
 序盤の重要性が高いと言えます。カース(割り込み)の権利は3回しかないので
 大事にしたくなるかも知れませんが、カースの価値もゲームが進むに連れて徐々に下がるので、
 自信のある答えがひらめいた時には、序盤でも惜しみなくカースを使うのが良いでしょう。
 また、一文字聞く事や質問する事の価値も序盤ほど高いので、
 キューブ(消費する事でコマを自由に移動させられる)も序盤から惜しまずに使って構いません。


アンケート

評価平均:9.07点

名前 評価 感想
ゆうめい 9.5 (詳しい感想は本文を参照して下さい) 人によって好みの分かれるタイプのゲームなのかも知れないのですが、少なくとも「希望の船」のゲーム会では、プレイした全ての人が非常に高く評価しています。もしかしたら漫画家向きのゲームなのかも知れません。プレイは皆が終始ゲラゲラ笑いながら進行し、時には転げまわって爆笑する場面もあったりします。ルールには、あまりマニアックなお題は避けるように書かれているのですが、参加者全員がわかるネタであれば問題ないと思いますし、むしろ多少マニアックなお題の方が場が盛り上がりますよね。(笑)
いとう 上手に作ればいいというものではないところが面白くもあり難しくもあり。パッと見て何がなんだかわからないものだと何を質問していいか迷ってしまいますが自分が作ったものに相手が頭をひねるところを見るのは面白いです。創作性がゲームの要素としてあるのは斬新。
こま 「粘土細工を当てっこするゲーム」があると聞いた時は衝撃でした。ネットで調べてるうちに欲しくなったのでつい買っちゃいました(笑) 最初の粘土細工から終了後の種明かしまで始終楽しかったです。ギャラリー視点でも楽しめるのは意外でした。試しに持って行ったんですが、皆さんにも楽しんで貰えたようで良かったです。
榊しげる ルールを聞いたときは「?」と思ったが、やってみると非常に面白い。推理していく過程の楽しさや当てた時のスッキリ感は他のゲームに無い昂奮がある。出題の出来映えに大きく左右されると思っていたが、どんな出来でもそれなりに盛り上がれるのは意外。神(審判者)は必須の気がする。プレイを重ねる度にお題がマニアックになるのは必然なので、これから先ますます必要になりそう。脳が疲れてきてもプレイできる(むしろその方がいい?)珍しいゲーム。
新撰組680 もっと一般に広まって欲しい逸品。「似せすぎても、似てなさ過ぎても勝てない」これをゲームとして成り立せたのがまず凄い。作り手の苦労がゲーム盤のそこかしこに見える気がするのは気のせいだろうか。素敵な遊びを世に生み出してくれた制作者に感謝しつつ無邪気に遊び続けたい。
michi 粘土で作り込みすぎてはいけないのが難しい。造形物の答えがさっぱり見当つかない時の質問が難しい。正解したときのスッキリ感がいい。4人プレイなら+1(神)がいる方がいい。お題の公正さと造形の審判として。解答が見られるから神も飽きずに参加できるので。プレイ後に記念撮影などどう?
らくだ ほぼ文句なし。こういうゲームを考える子供は多いと思うが、それを商品の域にまで高めるため、パラメータに微調整の限りを尽くした制作者の大人達は、まさに「バカ」をきわめている(ほめ言葉)。勝負に行く事ももちろん楽しいが、それ以外に、何であるかを当てるというのが純粋に楽しい。付属の油粘土ではかなり手が汚れるが、実は、これもゲームの楽しさの1つなのかも知れない、と、後日思うようになった。


*コンポーネント写真の粘土細工の正解*
:(左から) ネジ インクびん 
赤:(上から) コンタクトレンズ 東京タワー
黄:(左から) 佐渡島 
緑:(左から) 羽ぼうき ミープル(カルカソンヌのコマの事です)


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