八分帝国   〜短時間で手軽に遊べる、本格的な帝国の支配地争い〜

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は通常のボードゲームよりもやや小さ目です。



写真上段がボードです(裏面にも少し地形の違うマップが描かれています)。小ぶりであまり場所をとりません。
中段がプレイヤー用のコマ(キューブが兵力、丸いのが城です)。
下段左がコイン、中央がカード、右が拡張ルール用のチットです。


レビュー

*タイトルの「八分」はプレイタイムの事

タイトルの「八分」は、文字通り8分あれば終わると言う意味です。
実際にプレイしてみると、8分は少し大げさかなと思いますが(笑)、
確かに比較的短時間で終わるゲームだと思います。
メンバーにもよりますが、大体15分〜20分以内と言ったところでしょうか。


*支配地域と資源のセットを獲得して得点を競う

プレイヤーは、まず最初に競りでスタートプレイヤーを決めます。
プレイ順が決まったら、手番プレイヤーがする事は、場に出ている6枚の
カードの中から1枚を選んで購入し、そこに書かれたアクションを行うだけ
です。
お金は最初に配られた分しか与えられないので、使い過ぎには注意しなければなりません。

アクションは、兵力の増援、兵力の移動、拠点都市の建設等です。
マップ上の兵力を使って、支配地域を拡大して行きます。
各エリア毎に、最大の兵力を配置しているプレイヤーが、そのエリアの支配者となります。
プレイヤーはマップ上に支配地域を増やすことで得点を得ます。
カードには、アクションの他に資源が描かれていて、マップ上の支配地争いとは別に、
同じ資源の描かれたカードをセットで沢山集める事によっても、得点を得る事ができます。

プレイ人数によって定められたラウンドをこなしたら、
ボード上で支配したエリアの数と、集めた資源のセットによる得点を競います。


*2種類のボードで広がるゲーム展開

ボードは、表と裏で微妙に味わいの違う2種類のマップが用意されていて、
気分を変えて連続プレイする事も可能です。
手軽なプレイ感で、本格的な戦略ゲームの要素を楽しむ事ができるので、
初心者の方の為の本格ゲームの入門編としてもおススメです。



リプレイ

大変申し訳ないのですが、リプレイ記事はまだ完成していません。(汗)
プレイ中のイメージは、こんな感じです。↓



評価

*短時間で手軽に本格ゲームの要素を楽しめる

「手軽なルール」「軽いプレイ感」と言えば、パーティーゲームのイメージですが、
このゲームには、本格的な戦略ゲームの要素がさらっと盛り込まれています。
ゲーム用語的に言えば、このゲームの基本システムは、セットコレクション(お宝集め)と
エリアマジョリティー(陣取り)と言う事になります。
こうした本格的な要素を、インスト(ルール説明)の容易な「手軽なルール」と、
長考の起き難い「軽いプレイ感」で実現させている点は、大いに評価してよいと思います。


*ゲームバランスが良く、多様な戦略が選択可能

手番毎の選択肢も考え易く、選択後の行動の判断も比較的簡単なのですが、
大局的な戦略なくしては、決して勝利はおぼつきません。
陣取りで圧倒すべきか、セットで得点を稼ぎに行くか、
海路で新大陸や小島の開拓に行くか、最初の大陸で覇を唱えるか、
他のプレイヤーの動向も伺いつつ、的確な判断をする必要があります。

ボード上で優勢に進めても、資源のセット集めが雑だと得点が伸び難いのですが、
アクションの強力なカードは概ね資源の得点力が弱く、
得点力の高い資源の描かれたカードはアクションが弱目に設定
されていて
ゲームバランスが良く、様々な戦略が選択可能です。
プレイ順による、後出しの優位性と先着の利とのバランスも良く、
カードのめくれ具合によって、展開や戦略が変わる事もしばしばで、
運の要素も程よく含まれています。


*初心者からゲームに慣れた人まで楽しめる、本格ゲームの入門編

コンパクトにまとまっていて、あまり広い場所を必要としない点も
(意見の分かれる所かも知れませんが)個人的には評価したいです。

初心者からゲーム慣れした人まで十分楽しめる、おススメのゲームです。
レビューにも書きましたが、本格ゲームの入門編といった趣があります。


私の評価は8.5点です。


攻略のヒント

1.お金の使い所を考えるべし
 このゲームは、ゲーム中お金を得る方法がないので、最初に受け取ったお金だけで
 全てをまかなわなくてはいけません。
 ゲームの途中でお金がなくなってしまうと、カード購入の際の選択肢を失ってしまう事になり、
 以降の展開が非常に不利になってしまいます。あまりケチケチしすぎるのも良くないのですが、
 余程の場合でないとゲーム中盤くらいまでに手持ちのお金を使い果たしてしまうのは避けるべきです。
 重要なカード(それを取れば資源セットが最大値となるカードや、海路で渡った先の土地に都市を
 建設するカードなど)にしっかりお金を使うのも必要な事なのですが、そうした時以外は
 なるべく購入価格1コイン以内のカードを選択するようにした方が良いでしょう。

2.資源のセットをおろそかにするなかれ
 初めのうちは、ついついマップ上の勢力争いに夢中になリ過ぎて、資源のセット集めが
 雑になりがちなのですが、それでは中々得点が伸びにくいです。
 勿論、資源セットの得点が足りなくても、マップ上の支配争いで他を圧倒して補えば良い訳なのですが、
 マップ上の支配地域が増えるとどうしても目立ってしまい、他のプレイヤーに妨害されやすくなるので、
 中々マップ上を一方的に支配するのは難しいです。購入するカードを選択する時は、アクションだけでなく
 カードに描かれた資源にも気を使いましょう。展開によって中々思い通りには行かない事も多いのですが、
 理想的には双方でバランス良く得点したいものです。

さらなるヒントはこちら


アンケート

評価平均:7.00点

名前 評価 感想
ゆうめい 8.5 (詳しい感想は「評価」を参照して下さい) あえてシンプルに簡略化しつつ、細かなところまで隙のない実に良くできたシステムで、かなり感心しました。シンプルすぎてやや物足りなく感じる人もいると思いますが、そう思ったなら更に本格的な別のゲームをやれば良いのであって、このゲームはそのシンプルさにこそ価値があるのだと思います。
ひらやん 7.5 短時間でも頭を使うので、思った以上に疲れました。シンプルなだけに、一手のミスが響きそう。自分は苦手かも…。
すくーる  まず八分で終わった事がないですが、大体10〜15分くらいでプレイできるのでお手軽。ゲーム性も非常に良く考えられていて奥が深い。個人的にはコマが地味すぎて味気無さを感じるというか、世界観に浸れず事務的な作業に思えてしまう。
西野沢 8分で終わる単純明快陣取りゲームだと思ったら、意外と難しかった。地図上で出遅れたと思っても、資源で頑張れば割と巻き返せたりしてバランスが良かった。
榊しげる タイトル通り短いプレイ時間で覇権を競うゲーム。軽いながらも版図を拡げる楽しみは十分味わえる。勝利点を稼ぐ方法も多彩で意外と悩みどころも多い。深みやコクが薄いがゲームコンセプト的に仕方がないか。点が低いが好みの問題。
らくだ コンパクトにまとまっていて「よく出来ている」感じ。プレイ時にゆうめいさんも言っていた事だが、非電源対人ゲームをやった事が無い人の練習用だとか、そういうゲームに向いているかどうかの「踏み絵」に使えそう。製作の労力が伺えるゲームバランスの良さだが、無難な味わいとも言える。もしかすると、これを素材にして改造したり、色々なゲームを作ってみてくれ、という、製作者のメッセージが込められているのかもしれない。


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